ウーロンティー
@Nom
第1話
通学中の駅のホームにて自費で買った英単語帳を眺めながら僕は思っていた。エロい単語は覚えられるのにどうしてこう常用単語は覚えらないのか、と。under boob〔下乳〕、tentacle〔触手〕、housewife〔人妻〕。なんでこんなエロい単語が覚えられて、torture〔拷問〕みたいな単語が覚えられんのだ。いや、まて考えようによっては...拷問も、てか人妻のほうが、拷問よりも健全じゃん。こんなことを考えながら歩いていたのが失敗だった。過去の自分に怒りが湧いてくる。さらに付け加えれば、歩きスマホは意識してやらないようにしてるのに二宮金次郎スタイルを許容してしまう原因となった小学校にも。こんなことがなければ、僕のなんの変哲もない日常は彼女に乱されることはなかったのに。ゴツンッ、僕の額はとたも儚げで美しい少女のこめかみにヘッドバッドをかました。
「ウギャピッ」彼女がそんな奇声をあげるので対抗したくなった僕は、とっさに思いついた単語を口に出す。
「人妻っ」せめて英単語にしとけばよかった。
ウーロンティー @Nom
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