終わった世界と終わりの王

神崎義玲

第1話:上代レイと天野有理


 齢4歳にして一度、俺は世界を


「レイちゃ~ん朝よ~起きなさい」

 何時もだったら母さんより早く起きているのだが今日は何時もより遅く起きた。

 そう朝から変だったのだ。料理が下手な母さんが珍しく料理を作っていた。

「か、母さん?珍しいね料理何て作るの。今日は朝から良いことあったの?」

 母さんの料理を食べながら俺は言うとあまり見ない母さんのにんまりとした笑顔でこういった。「レイちゃん、今日誕生日でしょ」っとそうだ、何で忘れてたんだ今日俺の誕生日だろう。

 そして災厄の日である。

 12年前、俺が起こした。に願い世界が終わり思い出したくもない日である。

「そうだったね。母さん今日も学校だしね」

「そうよ、帰ってきたらケーキ、一緒に食べましょ」

 それからはさっさと制服に着替え家を出た。

 電車に揺られ学校に着くと他の生徒は特に何もなく

 それはそうだろう。全てを一回終わらせたのだから誰も覚えてる訳がない。覚えていたら最悪だ。今の作った平穏が台無しだ。

「・・・君・・レイ・・・私が呼んでるんだから返事をしなさい!!」

「うん?グフゥゥゥ!!」

 何だよ、今名前を呼ばれて振り向いたけどって滅茶苦茶腹が痛いもしかして

「ミキか。ああァ、すまん考え事してて気付かんかったわ」

 何かいいたげな顔をするな。全く近頃の若いもんは直ぐに暴力で解決させようとする。え、俺も一緒だって一緒だよ!何か文句あんのか!。

「まあ、良いわよ。おはようレイ君。で何考えてたの?」

「うん?ああ、別に他愛もない事だよ。にしてもミキ、お前はもう少し加減と・・・」

 ちょうどそこに葦原あしはら柚季ゆずきが来た。あの子は良いとこのお嬢様で穏やかな人だ。

「柚季みたいに穏やかであれお前は気性が荒すぎる」

 一人俺がうんうんと頷いてるとミキから普通は出なさそうな闘気というか何というかやばいもんが出てるんで逃げる!。

「あ、待ってクラス同じなんだから逃げても無駄よレイ君!!フフフ」

 怖いからその笑みもうやだわこの人、それに比べて柚季は癒される。時には膝枕してくれたり、お弁当を手作りで持ってきて食べさせてくれたり・・・え、恋人みたい?みたいじゃなくてそうってごめんなさい!嘘だから冗談だってまあ、お弁当に膝枕は本当だが?おお、男子からの殺気がやばいね。まあミキの方が数倍やばいが。

「フフフ、やっと着いたわレイ君」

「あ、あの~手を鳴らしながらこっちに来るのやめて貰えませんかね。ミキさんや、ちょっマジで死ぬからお前が本気で殴ったら俺は死ねる自信がある!!」

 ・・・あれ俺は何してたっけそうだよ。今日は終わった日だ。それで考え後としててミキがうっし全部思い出した。

「え~では、今日から転入生が来るの知ってるよな、お前ら今から転入生紹介するぞ」

 なる程、数分くらいか気絶をしてたのは。

 ガラガラっと教室のドアを開ける音と共に一人の白銀色の髪に紫の瞳の少女が入って来た。

「では、有理ゆうりさん、一言」

「はい、私の名前は、天野あまの有理です。上代かみしろレイさん、いえ終わりの王よ、今お迎えに上がりました」

 は、ハハハおいおい、覚えてる奴が居るのかこれから大変そうだ。こうして作った平穏は、災厄の日と被っている日に崩れ終わった。

 そして俺とこれから長年付き合う事になる天野有理との出会いであった。


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