「食べもしないのに、殺しは良くない」と、ライオンは言った。

 主人公はまだ幼い御嬢さん。大切な人形を、宿題をしなかった罰として父に隠されてしまう。主人公はこれは許されないことだと、大激怒。父を殺そうと考え、動物園に向かう。
 初めはライオンに声をかけた。しかしライオンには断られる。次に象に声をかけるが、「瞑想」の邪魔をすると、象は怒ると忠告される。最後に、毒を持つ蛙に毒をわけてもらおうとしたが、「同族を殺すなんて馬鹿」だと言われて相手にもしてもらえない。
 そんな時、一人の黒い背の高い男と遭遇する。そこで主人公は「何故人を殺してはいけないのか」について、その男と話し合う。それは、人間が人間として生きるための物語でもあった。
 しかし、その男の正体は――。

 哲学的な質問に、童話的な世界観で挑んだ作品。
 男の正体と目的に、ぞっとします。

 是非、御一読下さい。

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