忘れ物と空間

秋が終わりを告げて

冬が迫る足音が響く


廊下に日が差し込む

誰もいなく寂しい空間に



舞った埃

乾いた咳

めくり忘れたカレンダーのある教室

黒板に残った白い跡は

遠いいつかの日々



帰りたいよなんて

帰れないよなんて

弱音混じりの大きな独り言


反復したフレーズ

響いたチャイムに

僕は目を覚ます

こんな日々の中で




今日が終わりを告げて

明日がまたやってくるはず

ガヤガヤとした教室は

誰もいなくて寂しい空間に



終わった事

新しい出来事

やり残したことが募った教室

片付け忘れた机の列は

遠いいつかの日々



帰りたいよなんて

帰れないよなんて


涙混じりの小さな言葉が

反復したフレーズ

響いたチャイムに

淘汰されて消えていく

こんな日々の中に




これでは良くないと

たまに思い出す


今の僕に

懐かしいと名付けられた日々へ




帰りたいよなんて

帰れないよなんて

忘れかけた気持ちを

反復したフレーズ


響いたチャイムに

目を覚ました僕は

ため息をついて前を向く


こんな日々の中で

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【詩作手帳】旅人と白む水平線 雨旅玄夜(AmatabiKuroya) @travelerk1218

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