丁寧な描写です。主人公達の一瞬を切り取っただけなのですが、写実的な奥行きを感じます。SF的な背景を期待すると肩透かしかも。そこに作者は力点を置いていません。閲覧者の方には、ボンゴレ☆ビガンゴさんの「世界が終わるその夜に」との読み比べをお勧めします。どっちが秀作とか言う意味じゃなくて、単純に作者の個性の違いを感じるのが楽しいと思います。でも、結局の所、人々の行動はこうなるのでしょうね。私もそうするような気がします。星の数は、短編にはMAX2つが信条だからです。
始終穏やかに進む「僕」と「彼女」の会話に爽やかさと微かな物悲しさが入交り、読了後、なんとも不思議な気分にさせられます。いよいよ終末を迎えようとしている彼らには、ありふれた日常がとても愛おしく感じられるのかもしれません。短いながらも名作だと思います。
これがひとつの終末の理想形のような気がします。凄く悲しい終わり方だけれども。
とても穏やかで心みたされる終末でした。こんな風に誰か隣にいてくれるなら終末も悪くないかなと思わされました。
終始穏やかに話が進んでいきます。まるで日常みたいに。作中の彼女の台詞にもあるのですが、ドラマっぽいことを楽しんでいるところもまさに日常だと感じました。 日々を惜しむわけでもなく、終末の後を心配するのでもなく。ただただ今の一瞬を楽しんでいるようにも感じられて、ある種の青春もののようにも思えます。 独特の味があってすごく好きです。