僕の人生の意味はこの世界で見つかりますか?

いろはの

A.少なくともここでは見つからなかったかな

夕暮れの道をトボトボ帰る。

ボッチで冴えなくて、暗い僕。

せめてマジメな性格だったら救いようはあっただろうけど、生憎と僕はやりたくない事からはすぐ逃げるミジメな性格だった。


友達は出来ない。

もちろん彼女もいない。

兄弟も姉妹もいなければ、幼馴染がいるわけでもない。

何か目の覚めるような事を言ってくれる教師もいなければ、街角でパンをくわえた女の子にぶつかるような奇跡も起きない。

両親も、そんな息子をどうこうするでもなく放任してるし、僕を可愛がってくれたおじいちゃんとおばあちゃん達は、既に4人ともお墓の中だ。


顔見知り以上の関係を持つ人間はいないほど人として魅力が無くて。

オタクになれるほど熱意は無くて。

泣いている迷子を見つけても面倒くささが勝って見て見ぬ振りをするようなクズで。

運動は出来ないし、勉強の方もよろしくない。

ついさっき、高校生になって初めてのテストで45点平均を取ってきたばかりだ。

赤点が無いだけ御の字か。



そんな僕の人生に、意味は有るのだろうか?

まぁ、有っても無くてもこのまま怠惰に過ごすだけだ。

何かを為す元気も、自殺する勇気も無いのだから。



夕暮れの道をトボトボ帰る。

あぁ、誰か僕を殺してくれないかなぁ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕の人生の意味はこの世界で見つかりますか? いろはの @iroiro112

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ