第2話 エルルーン
レグルス達と別れたノルンは脱出艇へとは向かわずに船員室に向かっていた
艦長に頼まれたエルルーンを探すためである
船員室の中を探したノルンであったがエルルーンを見つけることはできなかった仕方なく艦長に居場所を聞くために艦橋へ戻ろうと振り向くとそこには身長150cm程度の紫色の髪をツインテールにしたまだまだあどけなさの残る少女が立っていた
一瞬見とれてしまったノルンだったがすぐに自分の目的を思い出し少女に話しかけることにした
「僕はノルンと言います 君の名前はエルルーンであってるかな」
目の前の少女は無言でうなずくだけであった
「僕は船長さんから君のことを頼まれて迎えに来た一緒に来てくれ」
少女はしばらく逡巡の後くち口を開いた
「ムルグスが言っていたなら分かった」
ノルンは少女の言葉を聞くと脱出艇までの案内を頼むのであった
「何でこんなにすんなり僕の言葉を聞いてくれるの」
歩きながら疑問に思ったことを聞いてみることにした
「ムルグスに何かあったときは迎えをやるから、その人と一緒に脱出しなさいって言われてた」
話を聞いてノルンは納得するとともにエルルーンがこの船でどれだけ大事に育てられていたのかを垣間見ることが出来て、改めてエルルーンをしっかりと守ろうと心に誓うのであった
もうしばらく進むと後部格納庫にたどり着いた
そこには救命ポッドが2個と脱出艇が3隻に中型の二人乗りガンシップが1隻止まっていた
早速脱出艇に乗ろうとするノルンであったが袖をつかまれて動けなかった
振り向くと案の定エルルーンであった、どうしたのかと口を開こうとしたら先にエルルーンから話し始めた
「脱出するときは武装もしっかりしているガンシップを使えってムルグスが言ってた」
確かに武装においてはガンシップが一番良いが航続距離では圧倒的に脱出艇に劣っていた
「でも航続距離では脱出艇のほうがいいしガンシップだと目的地につけないよ」
優しく言い聞かせるように言うノルンであったがそれはエルルーンの次の言葉で無駄なことであったと理解させられるのであった
「大丈夫このガンシップはムルグスが趣味で改造して航続距離が脱出艇より長くなったっていってたから」
趣味でそこまでの改造をしてしまう艦長って、一体何者だろうと改めて思うノルンであった
「早く乗って」
気が付くとエルルーンはすでに前の操縦席に座っていた
「エルルーンって操縦できるの」
「できる」
不安に思って聞いてみたら軽くにらみながら答えたので
謝ってからすごすごと後ろの観測席に座った
「ハッチ開放 ボルトロック解除」
ほとんどの準備が整ってあとは発進するだけとなったときにコール音が鳴りディスプレイに艦長が映し出された
「ムルグス」
顔は見えないがエルルーンが泣きそうになっているのはなんとなくわかった
「エルこれからはノルン君と旅をしていろいろなものを見て回るといいそしていい人が見つかったらその人と結婚して幸せに暮らしてほしい直接話すことはできなくなってしまうかもしれないが俺たちはいつもお前のことを見守っているからね」
「うん」
「ノルン君エルのこといや娘のことを頼みます」
「しっかりと守らせていただきます」
「エル元気でな」
「お とう さん ありが とう」
「ああ、これからの二人の旅に女神の加護を Benedictionibus diva」
通信が切れた後しばらくエルルーンは泣いていたが、落ち着いてきたのか話しかけてきた
「ノルン君これからよろしくね」
「ああ、こちらこそよろしく」
「じゃあ、いくよ」
「おう」
「カタパルト電圧上昇確認」
「ベルタ発艦!!」
コズミックノルニル ~宇宙の女神達~ 天元神楽 @tengenkagura
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