コズミックノルニル ~宇宙の女神達~
天元神楽
第1章 アポカリプス
第1話 プロローグ
「・・・・・・・・イ」
「・・・・デイ」
「・・ら共・・・・・アポ・・プス」
「敵のし・・・受け・・る至急き・・・求む」
「メイ・・イ」
「メイデイ」
「こちら共和国所属貨物船アポカリプス」
「敵の襲撃を受けている至急救援を求む」
貨物船アポカリプスの艦橋は戦闘体制に移行していた。
「観測手敵の所属と数は」
「所属不明です 数はゲイザー級3 コーラル級1です」
報告を聞いた艦長は決断を迫られていた、船を最大加速させて敵を振り切るか、もしくは船を囮にして脱出艇が逃げる時間を稼ぐかの二択であったがどちらも成功する可能性は限りなく0に近かったしかし投降するという道はもとからなっかた。所属不明の敵に投降したところで口封じに殺されるのが関の山であった。
さらにこの船は本国への重要な荷物の移送中であり敵の狙いがそれであることはほぼ間違いなっかた。
そんな時、船内から艦橋へと繋がる扉が開き一人の貴紳とその御付きの者たちが入ってきた。
「艦長敵は何処の所属だ!」
「レグルス様ここは危険です!もしものことが考えられますお早く脱出艇へ」
「この私に他の者を見捨てて逃げろというのか!」
「この船は何時沈んでもおかしくありませんですから・・・」
「なんと言われようと私は逃げん!斯様なことを言っている暇があるのなら早く退艦命令を出さんか非戦闘員も乗っているのだぞ!」
「敵の狙いは明らかに例の物を狙っていると思われます。あれが敵の手に落ちるのは何としても止めなければなりません、我々が囮となり時間を稼ぎますですからその間に例の物をもって本国へと急いでください」
「しかし、それではこの船は」
「我々とて、軍人の端くれ共和国の未来の為ならこの命喜んで差し出しましょう
それに例の物の移送を命令されたときにもう既に覚悟はしておりました」
「ですからお早く」
艦長にそのように言われたレグルスは付き人の一人呼んだ
「ノルンよ、お前は脱出艇でフェルマ要塞に向かいなさい」
「私がですか」
「そうだ、例の物を本国に届けてくれ」
「ですが」
「これは命令だ今この状況のなかで一番高確率で任務を遂行できるのはお前を置いてほかにいない」
そう言われた少年は俯いて何も言えないでいた
「ノルンよ、お前ひとりにこのような重大な責任を押し付けてしまってすまないと思っている、だがそれでもお前なら成し遂げられると私は思っているだからお前は前を向いて振り返らずに進んでいってほしい、どうしてもという時は少し位立ち止まってもいいがまあこれからは斯様な暇などないだろうがな」
そういってレグルスは微笑した
ノルンもまた泣きそうに成りながらもなんとかこらえて笑顔で返した
「わかりました不肖ノルン身命を賭してその勤め必ずや完遂致します」
「うむ、なら早く行けあまり時間はないぞ」
「はい」
「すまないが、一人連れて行って欲しい者がいる頼めないだろうか」
ノルンが退室しようとすると艦長が話しかけてきた
「どの様なものだ」
「身寄りをなくして困っていたところを拾って面倒を見ていた子です、女の子で名前はエルルーン 年の程は13歳です」
「ノルンと近いな、よかろうノルンよその者も連れて行け」
「わかりましたでは、レグルス様兄様方今までお世話になりました艦長さんもここまでありがとうございました」
「ああ、お前は決して一人ではな大勢に支えられて今のお前はあるそのことを決して忘れるでないぞ」
「エルのこと頼みます」
「エルのこと泣かせたら承知しないからな」
「達者でな」
「くれぐれも体には気負つけるのだぞ」
「しっかりとお勤めを果たせよ」
「お互い生きてたら飲みに行こうなってお前にはまだ早いか」
兄様の気の利いた冗談のお蔭で和やかな雰囲気の中でノルンは皆と別れを済ますことが出来たのだった
「本当によろしかったのですか」
「ああ、あいつならきっとうまくやっていけるさ」
ノルンの居なくなった艦橋では艦長やレグルス達がしみじみと会話をしていた
この別れが今生の別れであろうことは誰もが分かっていることであった、だからこそノルンを明るく送り出そうとしたのだった
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