ラーメンをこよなく愛する人々が住まう「ラーメンの国」。
そこである日、醤油、味噌、塩スープにとんこつスープが混入されるというテロ事件が巻き起こった!
いったい誰が、なんのためにそんなことを!? 犯人を追う中で、恐るべき事実が浮き彫りとなる!!
感想はただひと言、「すげぇ!」です! 正直、ラーメン好きじゃない人にはピンと来ないかなと思いますが、ラーメン好きには明かされた真実がピンポイントで刺さるんですよ。「それを言っちゃあおしまいでしょ!」って。
とはいえラーメン好きな人にだけオススメするのはもったいないんです。
謎があって探偵役がいて真相があって、ちゃんとミステリを楽しめるのが小憎らしい。
オチに行き着くまでの過程をきっちり盛り上げてくれる筆も見事です。
しかもそれが正しくおバカで、思わず笑わせられちゃうわけです。
ミステリの真髄は「やられた感」だと思うんですけど、それをフルスイングで食らわせてくれる作品です。
(笑っちゃう? 笑わせられちゃう?コメディ4選/文=髙橋 剛)
完全完璧な理論的考察。一部の隙もない。一滴のスープの染み出す隙も無い。全ての子供たちに読み聞かせをしたい。
これは凄いわ。驚いた。とんでもない。
しかもめちゃくちゃ笑えるんですよ。
「店名と自慢のポエムの入った黒Tに塩をふかせ、腕を組みながらタオル鉢巻を涙で濡らしました。」
とかヤバいフレーズがギンギンに満ちている。
いや、実際は順序が逆なのかもしれないですけどね。
先に「笑える話」があって、それが結果的に「完全理論」を打ち立てているのかもしれないけど、まあどっちでもいいわ。笑えるし、確実に、新しい知見が得られる。完全完璧な理論が得られる。いやーこれはほんと目から鱗っていうか、まじめに謎解きをしたかった……!!
凄いですよ。ほんとに。びっくりする。いい話でした。