第3話 語られる真実(最終回)
「実はね、美愛ちゃんは今お母さんと2人で暮らしているでしょ?お父さんはどこにいるの?」
「お父さんはクマに襲われて怪我して入院してるよ。」
「今日から3日後に、お父さんは退院するんだ。」
「ほんとに?やったぁ良かった」
「でもね、帰って来た後に、お母さんに暴力をふるって別れることになるんだ。」
「その時に、君がお父さんに殺されてしまうんだ。」
「私、殺されちゃうの?」
「そうだよ...。」
「お母さんは?」
「君を守ろうとして、殺されてちゃうんだ...。」
「そんなの、絶対にいやだ。」
「だから、僕は未来から君を守るため、そのために生まれてきたんだ。」
「じゃあ、私はどうすればいいの?」
「助かるには、一つだけ方法がある、それは...僕の手に包丁を持たせて欲しいんだ。」
「わかった。ちょっと待ってて」
女の子は言われた通りにそのクマのぬいぐるみに包丁を持たせたんだって。そしたら、
「ありがとう。これでいい。じゃあ…もう一つ言っておかなきゃいけないことがある。」
「僕は誰が作ったと思う?」
「実は僕を作ったのは、キミのお父さんなんだ。僕はお父さんが入院する時に、君が寂しくならないようにって作ったぬいぐるみなんだ。だから僕はお父さんの生まれ変わりなんだ。」
「え?でも、お母さんが買ってきたんじゃなかったの?」
「それは君に不安を与えないために僕が言った事だよ。僕はお父さんと同じ心を持ったぬいぐるみ…つまり、包丁を持たせたのは、君を殺すためなんだ!」
「やめて、やめて、クマたやめて!」
それでその女の子はクマのぬいぐるみに殺されたんだけど、それをお母さんが見ていて警察に電話した時に、お母さんが殺して自首したと思われて、今お母さんは服役中なんだって。だってぬいぐるみが殺したって言っても納得してくれないでしょ?
お父さんはどうしてるの?
お父さんは今も昔からの趣味であるぬいぐるみ作りを続けてるんだって。
だから今も殺人の心が宿っているぬいぐるみがどこかで売られてるんじゃないか?って言う話。
何それ?めっちゃ恐いじゃん。
私の怖い話どうだった?怖かったでしょ?
で、この話には続きがあって、この話をした人と聞いた人はいつかその女の子の霊か、女の子のお父さんに殺されてしまうんだって…つまり私達いつか死ぬよ。そのために、お守りとしてぬいぐるみ買いに行こうよ。あのお父さんが作ったぬいぐるみを…
未来からきたぬいぐるみ シルル @shiruru-tigers
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