第七話 帰り道
『私たちについてきてください』
私達三人は、施設を後にして、駐車場に止められていた車のひとつに乗り込んだ。この車は、おそらく私が施設に来るときに乗った車と同じものだろう。
助手席に座っていた人がラジオをつける。ポルカのようなものが流れているが、やはり異世界語なので何と言っているか理解できない。
ポルカを聞いていると、だんだん眠くなってきた。視界が揺れて、私の意識は薄れていった。
「次の停車駅は、
私が次に目を覚ましたのは、車内アナウンスだった。屏填は私の降りる駅だ。どうやら私は夢を見ていたようだ。
「まもなく、屏填です。屏填では、途中下車できます。」
いつものアナウンスで安心した。なぜかこの屏填駅だけ途中下車できる。本当にこの鉄道会社は何をしたいのかわからない。
電車が屏填駅に着いた。私は何事もなかったかのように改札を過ぎ、駅のホームを出て、家へと向かっていった。
(終)
電車に乗ったらそこは異世界だった 伊藤那由多 @NayutaIto
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