最終回 転生の勇者 ノエル

俺は詠唱を始めた。

「我は精霊王を纏うとする者。我の御霊を守り、我の力になり給え!!精霊王装備スピリットキングストリンガー!!」

俺の体が光り、体が熱くなった。


ああ、体が熱い。俺は何をしているんだっけ?確か、俺は日本で剣をしていて。

「お兄ちゃん!起きなよ!!」

「ん?亜華葉」

亜華葉は俺の妹だ。とても、料理がうまい。

「朝練でしょ?」

「んー。まだ眠い」

亜華葉の顔が曇った。

「お兄ちゃん、本当にそれでいいの?守らなきゃいけない人がいるんじゃないの?」

「……守らなきゃいけない人?」

俺はハッとした。

「思い出した?」

「ああ」

俺は起き上がり、目を開けた。


「……お前、何をした」

「俺は切り札を使ったんだ。お前が一発で死ぬ物だ」

俺は前に銃を当てた手を前に出し詠唱をした。

「我が纏っている精霊王に告ぐ。我の力を解放し、我に悪斬百鬼を討たせ給え!業炎即死ストライクノヴァ!塵に帰れ!!」

そして、炎を出した。見事、ベルセルクに命中してそのまま死んだ。

その後、俺は気絶寸前だったがケイルを探した。ケイルは廃墟の地下室に入っていた。

「ケ、イル。迎えに、来た、ぞ」

俺は足がもつれて倒れた。でも、その感触は地面ではなく人の感触。ケイルの物だった。

「ノエルってば、無理しちゃって。ボロボロじゃん」

「誰のせいだと思っているんだ」

すると、ケイルはポロポロと泣き出した。

「ごめんね。私のせいでこんな」

俺はケイルの頭を撫でた。

「大丈夫だ。俺はお前のそばからいなくなったりしない」

そして、ケイルはある言葉を発した。それは告白。つまり、「好き」と言ったのだ。

俺はリアクションに困ったが、ケイルのことは嫌いじゃない。まあ、確かにこいつが心配だ。他の男なんかに渡したくない。ああ、これが恋ってやつか。その答えがでた俺は……。

「俺も好きだよ。ケイル」

そう言うとケイルはもっと泣き始めた。



一件落着した俺達は皆の所へ帰ることにした。もちろん、俺達は手を繋いで。

レイルさんの所に行くと、レイルさんは俺を目一杯抱きしめた。その時俺は痛さで死ぬかと思う位だ。

「ノエル、生きてたのか!!」

「生きてちゃ悪いか?」

オルトルは俺に抱きつきそうになったが間一髪で避けた。

「そんな事ある訳ないだろ!?」

「あー、はいはい」

俺は生徒会長を見つけた。意外と涙腺が脆いのか涙を出していた。

「お帰り」

「ああ」

俺はこれからここで生きて行く。好きな人と一緒に。

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転生の勇者 ノエル 御狐神晴之助 @takoyakichi

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