様々な恋愛物語の詰め合わせた小説です。
男女の視点が入り混じり、更に複数の人物が同時に織り成す恋愛。
タイトル「ただ、いつも、この街で」とあるように街が舞台になっていて、その中で生きる人々を描いています。
その一人一人に愛があり、恋があり、失恋もあったり。その人物が交錯し物語が進行していく。読み進めているうちに、知っている場所や聞いたことのある名前等の個別進行している物語が繋がっていく面白さがありました。
まさに、この街の中に読み手が溶け込んでいくような一体感です。
本作は「たった今も恋してます」「たった一度の愛でした」からの第三弾という事ですが単品でも十分楽しめる作品。無論、前作を読んでからの方が読者の感情に響くものがあると思います。
「たった今も恋してます」から約10年後の世界。
子供だったキャラも成長し、高校生だったキャラは社会人になり……
この街の中で恋愛していくキャラクターの姿を追う楽しさと面白さ、そして切なさが詰まった傑作でした。
お気に入りのカップリング見つかると思います♪
どうか一読あれ。
最新のoffice6まで読んだところでレビューです。
個人的にこういう構成の話が好きなので、というか好きな人も多いと思うので勝手ながら宣伝いたします。この構成、何人もの登場人物のショートストーリーが並行して展開し、時に交錯しながら、一つの街を舞台にした群像劇となっているのです。
所々で顔を出すキャラクターが、別のストーリーの主役になっていたりと、とにかくこの感覚がとても面白いのです。
こういう話は構成はもちろんの事、キャラクターの書き分けや、もちろん文の読みやすさ、など数々のハードルがあると思うのですが、実に見事に軽やかに物語が進んでいきます。
この街ではみんなが主役で、それぞれの人生を生きています。その感覚がとても素晴らしい物語です。