SFとねこは相性のよい題材だ。『夏への扉』や『猫のゆりかご』といった古典的な名作がすぐに思いつく。後者にねこが出ていたかどうかはよくおぼえていない。ともかくSFにはねこが必要だ。そうしてこの作品に登場するねこはまるでガミッチみたいだ。ガミッチというのはスーパー天才ねこで、「馬肉のせんせい」と「ネコちゃんおいで」に養育されている。ただこの作品に登場するマルマーはガミッチとは少しちがうようだ。彼はなにごとかを隠している。そうしてこの作品にはSFらしく、意識だけで接続する仮想空間がとうじょうする。仮想空間にはたたみとおこたがある。その先は自分たちの目でたしかめてほしい。おっとここもねこたちに見つかったようだ。わたしは行かなくてはならない。諸君らのけんとうを期待する。