表と裏と仮面舞踏会

@kyousuke-turumasa

第1話

青い空、白い雲、草の匂いがする風

そして、眩しい光を放つ太陽

「あぁ…眩しい…溶ける…」

夏のセーラー服に身をつつみ、膝位まである黒髪を後ろで一つに縛り、マスクをし、日傘を差して登校する金糸雀高校に通う3年生の西垣雪歩。

『おっはよー、雪歩!!』

「おはよ。佑樹」

『昨日BLの新刊が出てさ!!それがメチャメチャ良くって!!』

朝から元気な同級生の羽賀佑樹。金髪で普通の男の髪の長さよりやや長い。顔もハーフだからイケメンである。だが、実は、腐男子という世にいう残念なイケメンである。

「はいはい、後で聞くよ。それより、昨日浅希さんから“保健室に来い”ってLINEきたから、朝に行かない?」

『昼じゃなくてか?』

「うん、授業サボれるからさ。それとお前の周りの奴らが面倒くさい。」

『あはは…いつもごめん^ ^;』

いくら残念なイケメンといっても、モテるのでいつも周りにファンクラブの五月蝿いゴミが…じゃなくて取り巻きの女達の目が面倒くさい。佑樹を呼ばなければいけない時に限っているし…嫌がらせか。

「そういえば、新しいデザイン出来たの?」

『実はこの3枚なんだけど…どれもイマイチでさぁー…』

「ふーん…2枚目やつ好きだけどな、マーメイドドレスだし…もうちょっと色が薄いやつにすれば?あと、ヴェールっぽいアクセにしなよ。」

『あぁ、なるほど。さっすが雪歩!!』

「はいはい、ありがと。」

学校に着くまで私達はひたすらデザインの話をした。

「〜って感じd((ドンッ うわっ!?」

『なるほd((ドンッ うおっ!?』

《前見て歩けよ。お前ら…》

そう言って転びそうになった2人の腕を掴んだのは…

「あっ、おはようございます。浅希さん。それとありがとうございます。」

『おはよー、浅希さん!同じくありがとう!』

《…おはよう。どういたしまして。》

呆れた顔で笑う木牙浅希だった。




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