ひと夏の物語は、ほんのりと甘く、焦がれるように眩しく

さらさらと、さらさらと、気が付けばページをめくる手が止まらない。

初めはとても楽しげで、微笑ましく、甘く。
そして最後は、ただただ見届けるために。

上質なラブストーリーと言っていい本作は、王道的でありながら意表を突く形で幕を閉じる。
その読後感は思わず目を閉じ、深呼吸をしてしまうほど良い。とても良い。

随所にちりばめられた伏線の回収も見事で、この文量からは想像もできないぐらいの大ボリュームだ。

私は太鼓判を押したいと思う。
これは、どこまでも眩しい良作である。

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