第9話「行き着いた先に」



「…あれ?」


目が覚めると、そこは懐かしい公園だった。



綺麗な桜並木が、風に揺れていた。



「どうした?」


きょとんとした顔で、兄は尋ねた。


いつの間にか兄は、高校時代の制服を着ていた。



「えと、イマジンなんとかって門は?」



「イマジン?なんじゃそりゃ」



「まーた寝ぼけてんのかぁ?ったく、こっちが話ししてるって時に、寝るなよなぁ」




​兄は呆れたように言った。



「え?」



「それより、来週から学校だろ?」



「碧埼学園(アオザキ)」



「そ、そうだけど…」




「そんじゃ、約束の場所で待ってる」



へ?



「時間はお昼の1時だからな!忘れんなよ」



兄はそう言うと、CDショップに立ち寄るため、その場を後にした。



おかしいな。



さっきのは一体、何だったんだろ。



夢?



でも、この世界の兄はまだ、まともかも知れない。



私は、諦めかけていた兄との高校生活に想いを馳せた。



こうして、私は公園を後にした。





「やっぱ俺、○○になるわ」


【現実編】


[完]


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「やっぱ俺、〇〇になるわ」 緋威 シン @akaimegi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ