第3話


「そろそろかな」


ある日お師匠さんがふとそんな事を呟き遠くを見つめていた。


「お師匠さん、そろそろって何の事ですか?」


「環様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


という声が聞こえたかと思えば木の上から何かが落ちてきた。


「ひっ……なっ…何?」


よく見るとそれは人だった。


「環様!貴方の一番弟子のマオが帰りましたよ!」


「マオ、いきなり落ちてきたらカラスが驚くだろう?」


「カラスぅ?…ハッ!誰だお前!!何故環様の隣に座ってる!!」


あ…今気づいたのか…


「マオ、彼女はカラス。最近私と暮らしてるのさ。カラス、彼はマオ 煩いけれど悪い奴ではないよ。」


「なっ!認めません!俺はそんなの認めません!」


よく見ると、所々跳ねた癖っ毛の黒髪に猫目…お師匠さんと同じく美形だ…


「お師匠さん…」


「あぁ??誰の許可得て環様をお師匠さんと呼んでるんだこの若造!!!」


怖っ!!


「マオ、彼女は良いんだよ」


「けれど環様!こんなに得体の知れない人の子を傍に置くとは正気では御座いません!」


「得体の知れないって…カラスは麓の集落の子さ。訳あって此処に居るんだ」


「訳とは!説明してもらえなければこのマオ、いくら環様相手でも引きませんよ!」


「仕方がないねぇ…カラス、少しマオと話してくるから遊んでおいで」


そう言うとお師匠さんはマオと呼ばれた少年を連れて和室へと戻っていった


「………お師匠さんの馬鹿…」

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虚烏 真白 葵 @masiro022

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