もっと評価されてもいいと、わたしは思います。しっかりと練られた設定とキャラクター。どこを取っても素晴らしい。
異能力バトルがメインとなる作品ですが、その能力がまた風変わり。彼は細マッチョですよ。細マッチョの彼が女装しなければならない。戦うために、仕方なく化粧もする。
想像しただけで面白い。
しかも、最強の異能力者というわけではない。ちゃんと弱点があります。ファッションセンス!ファッションセンスがあれば、最強なのに。
完璧ではないことが、わたしの心をぐっと掴みました。
彼らの異能力バトル、ぜひ読んで楽しんでもらいたい作品です。それに語り手は異能力者の直人ではないことも、わたしにとっては新しい感覚でした。
稀有な存在である異能者でありながら、自らの異能を嫌悪する主人公。それは一体どんな異能なのかと気になり読み進めるが……。
まさかのセキセイインコ(異能獣)が語り部として登場。そしてそのセキセイインコが主人公の異能を説明するのですが、前代未聞の異能がお目見えっ。
だって、『女装した部位に応じた能力が発現』ですからね。しかもファッションセンスがよくなければ、強力な能力を顕現できない制約付き。やはり前代未聞ですっ(>_<)
はっきり言って悪目立ちしすぎの主人公ですが、『擬音を弾丸化』する、とってもお強そうなライバル異能者に勝てるのかっ!? 勝てないのであれば、女子力の高いゲンキングさんに指導を受ければ、すぐに最強の異能者になれるぞっ!
と、おふざけは止めて――。
斬新で異質、且つファッショナブルなファンタジーを皆さまも是非、ご一読をっ。
そして最後に――。
『人語を話すだけの犬』とかいらねーっ。
服=装備品、RPGでは常識ですが、意外な盲点でした。
しかも「服」なので、バリエーションも豊富、芸術点もあり、
素晴らしい着眼点だと思います。
私はファッションの知識など皆無なので、なかなかイメージできませんでしたが、
この設定が活きる「画」でヘンテココーデからバッチリの決めコーデまでのビフォーアフターを見てみたいと思いました。
またこの作品は女装一本槍の作品ではなく、バトル描写も細かく丁寧でこだわりを感じます。
語り部役のピノンも良いですね~。
言葉が話せないだけで周りの状況の理解はできる。
そんな動物が現実にいてもおかしくないと思いました。
高いレベルでまとまった良作です!