ダメ人間が異世界に行くお話です。
ここまでだったらよくある物語なのですが、他の既存の作品とは違うところがいくつか。
まずは、異世界から帰ってくる点。
異世界に行って無双!とかハーレム!とかではなく、主人公は主人公のままです。
しかし彼は、異世界でたくさんのことを学びます。
現実に帰って来た後半では、少し変わった主人公が見れます。
ダメ人間の成長に、感動すること間違いなしです。
二つ目に車です。
主人公は車ごと異世界に飛ばされます。
しかもただの車ではありません。
その車は電気で動き、電気を蓄えています。
つまり、家電が使えるんです。
まさに動く家ですね。
この車が、異世界生活の中で色々と活躍するわけです。
その描写にはリアリティがあってとても楽しめます。
あと、キャラがかわいいです。
にゃぴょん。
●概要
仕事を嫌になった主人公がヤケになって逃げ出し、パーキングエリアで車中泊をしているといつの間にか異世界へ。巻き込まれ型の面倒くさがり屋主人公の一人称小説。
一泊ごとに別のヒロインが登場する。一度全面的な改稿をしており、現在の一話はバージョンアップ後のもの。(改稿前の文章も読了済み)
●所感
出だしの主人公のアクの強さとは裏腹に、物語は終始スローペースでヒロインとイチャイチャするか飯を食うかなので、そこまでストレスを感じることなく安心して読み進められた。主人公と一緒に異世界転移をする『アウトランナー』という車が一種の目玉となっており、この車のギミックや薀蓄が物語の中にたくさん散りばめられている。車好きなら大いに楽しめるだろう。(ヒロインと飯を食って、ヒロインといちゃつくためだけのギミックではあるが……)
現在『六泊目』まで公開されており、僕は『四泊目』まで読了した。『三泊目』になると読者の興味を大きく引くような謎も出てくる。異世界に転移するための条件やリスクなどもあるようで、設定自体は作りこまれているが、『一泊目』・『二泊目』では基本的にヒロインといちゃついて飯を食っているだけなので、その部分を楽しんでもらいたい。
物語には作者から読者へのメッセージが書かれ、そのメッセージ性も強いので、落ち込んでいたり、なかなか結果が出ないことに苛立っている人にぜひとも読んでもらいたい物語だ!
●批評
テンポのある文章でいっきに読めるライトな異世界ものでありながら、一話から主人公に嫌悪感を抱かせる導入で、読者を振るいにかけてくる。また車の薀蓄やスペックの描写も多いので、そこらへんにまるで興味のないという読者にはつらいだろう。また強いメッセージ性も伝わらない、そういったものを求めていない読者には余計なお節介、おじさんの説教としか受け取られないので、メッセージ性が仇になるかもしれない。
●総評
色々書いてきたけど、僕は素直に楽しめた。主人公のことがけっこう好きだし、わりと共感できる部分もある。メッセージは気に入った部部だけを受け取ればいい。だから、言いたいことは一つだけ――
――面白いから、読めっ!!
一話目を読んだ人は分かるでしょう……
この主人公、とんでもないヤローだ!!
会社の同僚としてはもちろん、友達としても家族としてもちょっとご遠慮願いたいかな…という人物像。
でも途中まで読み進めていくと分かる。
彼が抱えている想いや葛藤は、多かれ少なかれ誰の中にも存在しうるもの。
つまりこの主人公は代弁者なのです。
正直、個人的には異世界転生や獣人ものは知り合いの作品でないと読まないジャンルですが、この作品の場合はテーマを考えるとそこに必然性を感じられる。
自然あふれるファンタジーの世界で、獣人の少女に出会うからこそこのテーマが生きてくる。
最近仕事嫌だなーとか、会社面倒だなーと思う人にこそ読んでもらいたい作品だと思いました。自己啓発本とかよりも頑張る気力が湧いてくる気がします。
さーて明日からまた頑張りますかね。
内容的には、非常に軽快なセリフのやりとりとわかりやすい文章。そして構成。
ファンタジー要素を入れつつアウトランナーと電気自動車要素を入れたもの。ただし、主軸は人間ドラマである。
おそらく・・・作者さんにはこの車種に思い入れがあるのだろう。でれなければこの車種を選ぶ意味があまりなくなってしまう。もしかしたら、この先で車種の魅力を伝えるのかもしれない。
生意気なことを書いてしまうと……
もう少し冒頭でもこの車種への思い入れが伝わるといいなとは思う。タイトルにいれるくらいなのだから、きっと重要なのだろう。であれば・・・ここがカッコいいんだ!この車はというものがちょっと欲しい。読む方が憧れを持つような。と個人的には思ってしまった。
ぜひ、この方の作品が編集達の目に留まることを願う。私は、頑張ってる人間が好きなのである。
異世界渡航ものは数多いですが、主人公はさえないダメ社員、アドバンテージはマイカーだけという設定が面白いです。
外見だけでなく、中身や言動まであざとかわいいケモ耳少女。
その旺盛な食欲と、噛み合わなさそうでペースをがっちりつかむトークのやりとり、日本の食べ物や道具に、過剰に反応するところもポイント高し。
渡航前に抱えていた問題にもきっちりアプローチして、主人公が『成長していく』さまにカタルシスを覚えます。
――――こんなに各話の終わりに、次作品のリンク先を貼ってるのも初めて見ました。
二泊目以降も読まさせていただきます。
大変にけしからん物語です。
何故って、ページを進む毎進む毎、読者のあらゆる欲望を駆り立てて止まない作用があるからです。これは恐ろしい小説ですよ。
キャンピングカー、旅、車中泊、アウトドア……などの単語にときめく人は読んではいけません。
でないと、無意識のうちにグッズをぽちりそうになって慌てる羽目に陥ります。
冗談はさておき。
いや本当に冗談じゃないんですが。
異世界もの、と、よくあるテンプレを連想することなかれ。
一見して異世界にそぐわない要素の「アウトランナー」をキーに、展開されていくのは異世界アウトドアライフ。前述したように、その手の話が好きな人には大変に堪らない物語になっています。
旅の醍醐味はもちろん、可愛いキャラあり、主人公の成長あり、カップラーメン食べたい、と見所も盛りだくさん。
とりわけちょっと残念な主人公の後半の奮闘ぶりと、ラストに向けての展開は読んでいて実に爽快です。
非日常の生活を味わいたい方、獣耳という単語に反応する方、仕事に疲れた方などなどにもおすすめします。
アウトドアライフに惹かれる人は各種ショップからログアウトしてから読んでください。(結果的に散財したとしても責任は負いかねます。)
こちらは一泊目ですが、二泊目以降も持ち味は勿論そのままに、溢れる魅力はとどまるところがありません。
アウトランナーと美少女たちとの飯テロ漫遊記を、刮目してご賞味あれ。
魔法の粉は買いました。
改稿後に読み直して、これはレビューを書き直さないとやばい!と思うほど、テンポも面白さもウサ耳の可愛さもアップしている。そして何より楽しさと魅力が倍増してる。どこにでも居そうなダメ男がエロ丸出しで可愛いネコ耳に絡んでいくスピーディ&テンポある展開はさすがだ。
異世界ものを読んだのはこの作品が初だが、寝る前に読んで夢の中であっちに行けたらいいのにと、アウトでなくても思う。それくらい魅力的な世界が待っている。
特に冒頭から4話までの改稿部分は、ポンポンと小気味よく進んでガンガン引き込まれる。元からの第5話に辿り着くとちょっと地の文が多めで小休止の感ありだが、全体的にさらに読み易く、少年漫画らしさが増したように思う。
特にキャラとアウトの会話は秀逸で、いつまでも二人の夫婦漫才を聞いていたい気になる。
終盤のアウトの変化は、冒頭でのダメ男ぶりな印象が強まった分、より鮮明で、母性を擽られハンカチを握って応援したくなる。異世界体験で成長する男子の話は、もしかするとお姉さん世代にももっと受けるものかもしれない、その意味では私たち世代も食わず嫌いせずにもっといろんな作品をカクヨムで読んだ方が良いのかもしれないと思わせてくれた。
余談ながら、自作を改稿作業中の身には「改稿ってのはこれくらい本気でやるもんだ」と説教された気分だ。せっかく書いたのに、なんてみみっちく縋り付かずに思い切りぶった切って捨てて、何度も推敲して削ぎ落とせ、と。そんなの当たり前だと言われそうだが、もの凄く潔さを感じた。それが作品全体のスピード感と面白さ、終盤のアウトの覚悟の強さを生んでいる気がしたのだ。
本作品が第1泊目で、さらに2泊目以降に繋がるが、車に興味のない女性陣にもぜひお薦めしたい作品だ。特に男の子を育てているお母さんにはたくさんのヒントが転がっていると思う。
2016年8月22日21:50
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(旧レビュー)2016年7月31日 13:07
異世界ものは初めて読んだので、的外れなレビューだったらすみません、最初に謝っておきます。
のっけからエロオヤジ感覚炸裂で、全くもう、と思いつつ、少年漫画原作ならこれも大事な惹きつけ要素なんだろうと元乙女は腹を括り読みました・笑
序盤はちょっと説明を読み込むのに時間が掛かったが、恐らくは作者の深い教養やもろもろの薀蓄が止めどないのを必死に抑えてもこのレベルなのだろうと勝手に推測。そして気付いたらすっかり物語に引き込まれ、可愛いネコ耳ウサ尻尾ちゃんとのやり取りが軽妙で、やり込められるあたりが特に楽しい。
そして、主人公はダメダメ社員の側面を見せながらも、実はすごく優しくて思いやりあるあたりは、さすが、読ませるなあと感心仕切りです。特に後半で思い切り謝る辺りは母性愛をくすぐりますね、やるなあ。
作者の理性が邪魔をするかもしれないが、少年漫画というのを意識して、どうせならキャッチコピーも内容ももっとエロやかさを全面に押し出しても良いのかもしれないと思った。それこそ私には異世界なので的外れなら申し訳ない。
予想以上に楽しいお話なので、続きを読みに進みまーす。2泊目以降が楽しみです。
クラシカルな行きて帰りし物語を若手社会人の為に編み直した作品です。主人公が異世界での出会いと旅を通して少しずつ自分の価値観を変えていく姿は読む人の心に自分も変われるかもしれないという希望を与えてくれるのではないかと思います。
もしも自分が道に迷ったり悩んだりするようなことがあるならばぜひ一度お手にとって見て下さい。
壁を超える方法はぶつかるだけじゃありません。異世界にちょいとシフトして横からすり抜けることだってできるのです。
貴方にとっての異世界がこの物語であるならば、それは作者様にも貴方にも私にも、幸せなことだと思います。