万年筆 用途で考える② ニブを知る
万年筆にとってニブ(ペン先)は命です。
ニブは多様な種類が用意されていて、その用途によって選ぶというのが一般的です。
万年筆フリーク達が多くの万年筆を購入してしまうのも、このニブの差によって得られる快適さや感動が異なってくるところが大きいでしょう。
ニブを選ぶ上で重要なポイントに、太さ、があります。
文字の太さは、ニブの先端に設けられたペンポイントと呼ばれる球体の形状によって決まります。接地面積が大きければ文字は太く、少なければ細くなっていきます。
万年筆はこれに加えて、インクフロー(インクの出の良さ)によってもかなり文字の太さが変わってきます。
【ペンポイント字幅】
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もしあなたが万年筆の試し書きをせずにデザインに惚れて一発購入するとします。
それならば私はFをオススメします。国外メーカーのものならEFをオススメします。
まず万年筆の文字は、一般的なボールペンのものより太くなりがちです。ボールペン文化のある人は文字を小さくぎっちり書く傾向があると私は感じていますから、その感覚でいうとMは恐らく太く感じるでしょう。
日本人は漢字を多く書くので、これはアルファベット等の文字に比べてかなり密集しています。ある程度線が細くかけないと、限られた範囲に文字を収めることが難しくなります。日本メーカー品はこの点を考慮して、海外メーカー品の者に比べてワンランク細めに作られている印象があります。
しかし一方で、万年筆の書き心地やその筆跡の味わいは、太字の方が優れていると言えます。
もしあなたがエグゼクティブで、サインやチェックなどの、細かく書き込む用途が求められていないのであれば、Mをオススメします。
【買った後に調整が利く文字幅】
万年筆の素晴らしさはこの点にあると言えます。
ペンポイントは使用による摩耗により、自身に馴染んできますが、ペン職人によってそれをある程度好みのものに変えることが可能です。ペンを落としてしまった場合などにも応じてくれる職人さんは本当にありがたい存在です。
例えばもっとインクの出を良くしたい、絞って細くしたい、書いた感じをなめらかにしたい、角度によって細字太字を書き分けたい…。
私も過去にかなりのわがままに応じてもらいました。
買った万年筆の書き味が、長期間使ってもいまいちしっくりこない。
そんな場合は、ペン職人がいるショップにお願いしてみましょう。
銀座にある大手筆記具店のチェーンなら安心して依頼できるでしょう。
【知っておいて損はない、ニブのしなり】
万年筆のニブは高級な金属が用いられており、一部モデルでは筆圧に応じてしなるようにできています。これによって格別の筆記感を得られます。
最近の万年筆はボールペンになれたユーザーのためにかなりニブが固く作られており、ある程度の筆圧をもって取り扱っても問題なく扱えます。しかし、ボールペンと比べて柔らかく感じて手首に負担が少ないのは、多少なりともこのニブがしなっているからと言えます。
ニブのしなりはメーカーやモデルによって差が設けられており、こればっかりは試し書きをしてみないとわかりません。
高級筆記具を取り扱っている販売店の多くは、試し書きに応じてくれますので、興味が湧いた方は是非どうぞ。
珠玉の文具達 ゆあん @ewan
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