第16話 機竜強襲
「状況報告!状況報告!現在我々は判定不明の怪物と交戦中!増援を求む!」
「駄目だ!」
「違ぁう!」
「化け物は我々と同じ機関銃に類似した物を装備している!迂闊に近づくな!!」
車に搭載されている三六式?の無線機からは、普段の全くする事が無い苦戦の言葉が飛び交っていた。
「ちょちょっと!不味いんじゃない!?このままじゃ全滅しそうな勢いなんですけど!ふぎゃあ!!」思わず憤り立った所を頭から叩かれて強制的に座らせられる。
「いきなり席を立つな。現在我々は仲間達を全滅させないために今こうして向かっているのだ。『急がば回れ。』と先人の教えがあるようにこのような緊急事態でも冷静に対処せねばならん。」
「そ、そうよね!うん、落ち着いた。日頃あなた達がピンチになる事なんて無いから少し気が動転しちゃった。」
私と
◇◇◇
火薬と地面が焦げる臭いが充満して頭が朦朧とする。嗅いだことも見たことすらない焼け野原の戦場を見て永友祐也は戦慄した。
散弾の雨を受けていつ死ぬかも分からない虫の息の者、ブレスを一身に受け、つんとした臭いを放って体を焦がす者、そしてそれを虫けらを見下すかのように獰猛な蜥蜴の目が光っている。
おそらく見た目からしてドラゴンなのだろうが、その姿はネットで見た画像とは全く異質だ。ドラゴンの剣の刃を全く通さない強固な鱗とおそらく戦闘機であっただろう頑丈な装甲を鎧のように身につけ、手に二挺の機関銃を持ち、乱射している。
あろうことかそいつは味方であるはずのモンスター達さえも見境無く殺戮を繰り返している。しかしドラゴンはそれでも足りないのか視線の先にある街を見据えている。
そのドラゴンの姿には覚えがあった。そう、それはまるで子供が新しいおもちゃを手に入れた時に他の者に見せびらかせて自慢したいというそれと同じような。
「敵の潜水艦を発見!増援求む!」
「駄目だ!」「駄目だ!」「駄目だ!」
さすがのチート達も己と同じ、いやそれ以上の力を持つ機竜に苦戦している。
後ろには生き残った生存者達が魔法で援護しているが少しずつだが確実にじりじりと街のほうへと向かっていた。
もし日本兵達が異世界に転生したら ネムッチ @5200105
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