第15話 モンスターパレード

 「緊急事態発生!緊急事態発生!現在大量のモンスターが街に進んでいます。冒険者の方達は至急これを討伐してください!」


「ん!?なにほぉと!?」


 余った豚をパンにはさんだポークバーガーを頬張っていた時とても物騒な話が飛んできた。しゃべり方が変なのはけして舌がまわらないとかそういうのでは無いからね。


「!?ソナーに多数の反応あり!」

「敵国が攻めて来たぞ!総員これを打ち払え!!」

「了解!」


 でもまあこいつらなら余裕で倒せるだろうし、私はのんびりバーガーを頬張っとこう。


「何をぼさっとしてるんだ女神(仮)!お前も来るんだ!」


えええ‥‥。まだハンバーガー食べ始めたばかりなのに。



◇◇◇◇◇


あの日、キングフライングポークの手柄を貰った以来自分に幸運が訪れた。装備を新調して戦闘も楽にこなせるようになったし、鍛冶屋の娘との出会いもあった。今の俺ならモンスターの軍隊なんて簡単に倒せる気がする。


「よし!やってやるぞ!」

 新調したダガーを片手に異世界転移者は約一万の大軍に挑んでいった。


◇◇◇◇

一方勇者一行は


「ちょっと!急がないとモンスターが街に攻めて来ちゃうわよ!早く車出してよ!」

「む‥‥。動力源に異常が発生しているらしい。今整備兵に確認させる。」


車がエンストしワンテンポ遅れていた。


◇◇◇◇

ゴブリン、オーク、リザードマン、オーガ。

まさにモンスターのオンパレードだ。一体一体では弱い固体でも一万となればまさに災害と呼べる程の暴力の大波となる。正直言って魔法や剣だけでは対応しきれないだろう。だが、異色を放つ彼らが操る武器を使えば


「お前らなんて怖くないんだよ!」

「皆殺しだぁぁぁぁぁ!!」


 それはかつて異世界人だった魔法使いと剣士の末路。かつての面影はもはや外見だけだろう。勇者達の洗脳とも呼べる教育により彼らは剣と魔法、そして重火器を扱いモンスターを駆りまくる無双者となった。


◇◇◇◇


「捨て駒の数が減ってきている。やはり一万ではあのチート達には通用しないか。ならば切り札であるお前を導入する他ないようだな。頼んだぞ、新たな力を得た龍、機龍よ」


「‥‥‥仰せのままに。バルバトス様。」


魔王軍策士であるバルバトスはチートの力を得た龍を戦地へと向かわせた。


 ただでさえ槍を通す事のないと呼ばれる龍の鱗を持つドラゴン。さらにそのドラゴンにはこの世界には本来存在しないものが付けられていた。


 勇者達の力を。



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