第14話 異世界転移(笑)

 これはどういう状況なのだろう。俺が期待していた異世界の景色が霞んでみえる。

 日本からこの世界に飛ばされ異世界転移した俺、永友裕也が行き着いた場所は世紀末だった。


「敵の潜水艦を発見!」

「「皆殺しだぁぁぁぁああ!!」」

「ぴぎぴぎぃぃ!!」


 翼の生えた巨大な豚が軍隊のような服を包んだ多数の人間に襲われている。この時点で既に可笑しい。何故ならばあの豚『正式名キングフライングポーク』は戦闘ランクがAを越えているのだ。それがなす統べなく蹂躙されているのだ。それも火薬を使って。

 この戦い方は俺は知っていた。多分こいつらも異世界に飛ばされた部類なのだろう。


 しかし、自分と違って相手は敵を一掃する圧倒的火力を持っていることだ。自分のショボい火力の魔法や剣を使っても到底及びはしないだろう。ランクが低いにも関わらずギルドの依頼を受けてしまったことで現実を見てしまった。


「はあ、今日も薬草集め頑張るか‥‥。」


◇◇◇


「ぴぎぃ‥‥‥。」


 デカイ豚が最後の断末魔を上げた。

勇者達による豚型のモンスターの蹂躙が終了し、今解体作業に入っている。勇者の一人が豚の料理が食べたいと言ったのがきっかけで「飛べない豚はただの豚だ」とどや顔しそうな豚がいるとの事で狩りに来たのだ。


「む?この豚、羽根が生えているようだが?」

「食えん所などほうっておけ。それよりさっさと戻ってしょうが焼きを食いたい。」

「「了解!」」

「今回ばかりは貴方達と同感よ。私も食べてみたかったの♪」

「女神(仮)は何か仕事したか?働かざる者食うべからずと言うぞ?」

「てめぇらに移動速度アップのバフかけただろうがぁぁ!!」

「ふん、冗談だ。貴様のぶんも仕方が無いから用意してやる。有り難く思え。」

「と、当然よ。って言うか何様だよ!?」



「‥‥‥‥‥‥。」


ギルド依頼では確かキングフライングポークの翼を献上する事で討伐としていたはずだ。

あいつらが倒したけど気づいていないようだし。


「‥‥‥‥これは漁夫の利。これは漁夫の利。」



◇ギルド結果明細


キングフライングポークをギルドランクDのナガトモユウヤが討伐した。

しかし、どのように対象を討伐したかは不明

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