プログラムなどさっぱりという人も、敬遠せずに読んでほしい。そして知り合いにプログラマーがいたら聞いてみると良い。「君はソースコードの美しさが分かるか」と。
まだ途中だが、目次からにじみ出ている「そうそう!」感だけで期待ができる。
プログラムとはかくあるべき、という本は世に数あれど、こんなに面白くも無駄なく伝えてくれる話は今まで読んだことが無い。
そしてプログラムとはまるで魔法のようだと、常々思っていることを見事に表現してくれている点でも、非常に楽しい。
今まさに様々な人の手が入ったソースコードに四苦八苦しながら、新たな「魔法」を捻じ込んでいる身としては、後輩ちゃんの前に立ちふさがる壁に既視感を覚える。主人公などもはや完全に上司とダブって見えている。
そんな我々の世界のどこかに居そうな二人だからこそ、親近感が湧くだけでなく、いつか我々も魔法が使えそうな気さえしてくる。魔法の発動する瞬間がアニメとして見えるし、魔法の構造まで容易に想像できる。
これもテンポ良く進めながらも、分かりやすく表現しているおかげだろう。また一話の短さが情報量を調節してくれているので、詰め込まれ過ぎることなく読むことが出来る。
ぜひともこのまま最後まで行ってほしい作品。
なぜならその人は美しさの原理と、そこに至る道筋を知っているからです。そして美しさを蔑ろにして楽をする(悲しいことに世界の大多数を占めている)人々を切って捨てる思い切りのよさがある。こういう人は周囲に畏怖されながらも良い影響を与えてくれます。
学問にしろ、武道にしろ、真に美しいものは隙がない上に柔軟なものです。そういう意味では、この主人公は生き方とポリシーが美しいといえるでしょう。
こんな上司がいたら、つらいことは多いだろうけど、致命的なダメージを免れたままスキルを身につけていけるだろうなぁ、と羨ましくなりました。
ただ例の話で「焼け石に水」でいうところの水にされたことを思い出したのでちくしょうとだけ言わせていただきたい