短編集のススメ

にゃべ♪

短編だって立派な小説です。

 さて、いきなりですが、カクヨムは短編有利だと言われています。ランキングを見れば上位に短編が結構ランクインしている事が分かります。短い時間で読めて隙間時間を埋められるので短編はよく読まれます。私も読むのは短編が多いです。


 カクヨムは良質の作品が数多く公開されていますが、それは短編に関しても同様で、短い文章の中で深い内容をうまく凝縮した作品を割りと簡単に読む事が出来ます。これって結構重要ですよね。私が知っている他のサイトの短編なんて、小説の盛り上がる1シーンだけを抜き取ったものとかが多かったりします。


 しっかり物語として成立させつつ、短い言葉で全てを伝えきる。ショートショートのお手本の星新一氏の作品のような短編がカクヨムでは普通に読む事が出来るんです。これってカクヨムの強みのひとつだと思うんですよね。読まれて評価もされるから更に公開される、いい循環だと思います。


 けれど、その短編を嫌う人も見られます。それは言うまでもなく長編投稿者です。彼らはこの短編有利の状況が気に入りません。その嫌いようはまるで短編など小説ではないと言わんばかりです。こう言う意見を読むと私は悲しくなります。短編だって立派な作品なのに。


 嫌っている人の嫌う理由も分かります。短編に対して長編作品は評価されにくいからです。簡単に読めて簡単に評価される短編は長編作者にとって嫉妬の対象にもなりえるでしょう。


 短編の質が悪いのなら、私もその論調に同調していたかも知れません。しかし、ランキング上位に選ばれたりする短編は読み応えがあり、決して質は悪くないのです。

 だからこそ、どうにかして短編が嫌われずに済む方法がないものかと私は思いました。


 長編作者の言い分のひとつに短編なんて書籍化の対象でもないのになんて思う人もいる気がします。けれど数は力です。1000文字の短編だって100話集まれば10万文字です。3000文字の短編なら34話あれば10万文字です。それは決して不可能な数字ではないと思うのです。つまり短編だって書籍化を狙えると言う事です。


 短編がホイホイ評価されるのは、それが一話完結だからです。短編を沢山発表している人は、それだけで小説のページが埋まっていきます。作者が多くの短編を公開しても、その作品だけしか読まれないと言う事もあるでしょう。作者のアカウントまで飛べば他の作品も読めますけど、作品が多いとどの作品を読んだのか分からなくなるかも知れません。


 そこで沢山短編を発表している人に私からの提案があります。公開している短編を短編集にまとめましょう。一話完結で短編を発表しつつ、それとは別にそれらをまとめた短編集も同時に作るんです。


 こうする事で読者は短編集さえ読めば作者の全ての短編を一気に読む事が出来るし、総合の文字数で書籍化に必要な残り文章量を把握する事が出来ます。

 こうするとひとつのカウントに同じ話が2つ並ぶ形にはなりますが、これは問題ないそうです。念の為に運営に聞きましたので大丈夫です。


 今までも短編を短編集として公開している人はたくさんいます。それでも短編を短編のまま発表しているのは、その作品だけで評価されたいからだと思います。だからそれはそれでいいと思うんです。


 雑誌の連載作品と単行本みたいな感じですよね。まとめて読みたい人が短編集を読んで、その作品限りでいいと思う人が短編単体を読む。これでいいと思うんです。

 もしかしたらすでに実行している人もいるかも知れません。でも、同じ話を2つ載せるのを躊躇している人もいると思うんです。そんな人に、それは問題ないですよと言いたくて……。


 これからもカクヨムは多くの短編が公開されると思うんです。いつか短編集の書籍化の話だって出るかも知れません。良質の短編が読めるのをカクヨムの長所のひとつとして認められたらなと、そう思ってその為のひとつの案として提案させて頂きました。

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