絶望者のためのblues

主人公の目を通して語られる世界はこれほど欺瞞で飾られた醜悪さに満ち満ちている。

それでもそうやって語られる世界に安堵感を感じてしまうのは、これが絶望者のために語られる絶望者による哀歌だからではないかと思うのです。

結局のところ、その哀切さに美を感じざるを得ないことは人間の不可思議さであり、救いなのだと思うのです。

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