ドSな女神様と悩める子羊達

めんとうふ

第1話 変態覗き魔の羊


「女性の裸を覗けないと僕は成仏できないンダ」


は?こいつは、何を言ってるんだ‥。

名は、宮本大輔(23)童貞・中肉中背ではっきり言うとデブ。

宮本は、銭湯の女湯を覗こうとして高さ3メートルの壁をよじ登った。しかし、足を踏み外してしまい後頭部から転倒。

そのまま息絶えてしまう。世に言う"覗き魔"である。


「それはできません!懺悔ではなく後悔ですか?」


私は強めの口調で返す。宮本は若干喜んでいた。

ドMめ‥ドSな口調で言われると嬉しいらしい。

あ、そうだ。言うのを忘れていた。私は人の心が読めるのだ。

それ故にこの仕事に就かされている。強制的に‥だ。


「ここは後悔した事を叶えてくれるんだろ!?」


(知るか馬鹿野郎、変態かよ!この手の願いは腹が立つ)

まぁ、こんな事を言ってしまったら魂が傷ついてしまうので言えないのだが‥女神の仕事も大変だなぁ~‥


「分かった!私の裸を見せてやろう。」


ドMな宮本は鼻を豚のように鳴らしながら興奮し始めた。

気がついただろうか?私はこの手のクズ野郎には口調を変える。


「ンゴッ!早く!早く見せてくれ!!!」


はっきり言って気持ちが悪い。

まぁいいや脱ぐだけで成仏してくれるなら‥ってなるか!!

この手の変態を相手にする時は、「ドリーム」と言われる薬を使う。簡単に言うと望む夢を見させて、願いを叶えたように見せるのだ。


この薬は単純な人ほど効き目があり、効力が増す。

変態覗き魔の宮本にドリームの薬を服薬させた。

服薬方法は粉末状態の薬を嗅がせるだけの簡単なお仕事だ。


「うわぁぁぁぁ、ヤバイ!!鼻血が‥ぐほっ!うほっ!」


宮本は嬉しそうに床をのたうち回っていた。ハハッ滑稽だな‥。

満足したのだろう宮本の魂は浄化され、この部屋を後にした。


「成仏完了!今日は簡単だったなぁ~次はどんな魂だろう?」


ドSな女神様は、次のお客様(魂)を待つのでした。おしまい。

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