FM-Hammurabi 66.6MHz
やきそばの喜びを知りやがって
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#物書きのみんな自分の文体でカップ焼きそばの作り方書こうよ
より。
焼きそばSSの喜びをしりやがって、俺にも書かせろよ!
EPISODE ??? 「明星」
レイの目を覚まさせたのは、ロックアイスが溶け、空になったグラスをカランと鳴らす微かな音だった。
フウ。レイは息を吐き、PCのモニターを見つめる。組織に提出するための報告書を作るためのワード画面が立ち上がりっぱなしだった。
モニター右下隅の時刻表示を見る。寝ていたのは30分ほどか、刻は既に4時を過ぎていた。
小腹の空腹感を覚えたレイが席を立ち向かったのは、葛飾区にある三階建ての事務所兼自宅である場所の一階だった。叔父から譲り受けた葛飾の自宅、まともに帰るのは久しぶりの事だった。
職業柄、別の自宅を根城としたり、あるいは自宅を開け放しにする事も多く、冷蔵庫には余り食料品を入れてはおかない。だが”代わり”になるものは幾らでも備蓄してある。レイは、インスタント食料を詰めた棚から一つの食品を取り出す。
――――明星食品社製「一平ちゃん、夜店の焼きそば」、エネルギー773キロカロリー、希望小売価格205円……スーパーで廉価売りされているようなポピュラーなカップ焼きそばで、これといったことはないが、味・内容量共に及第点、付属のからしマヨネーズの存在もまた購入に値する要素といえる。
包装をはがし、蓋を開け、かやくの封を切ると乾燥めんの上に添える。乾ききったキャベツの姿ときたらまるで、さほど高級ともいえぬベッド上に疲れて横たわるオフィス・レディの姫君のようだ。
任務で傷だらけの男は重い動きでカップの中に湯を注ぐと時刻を確認し、台所の上に設置。
カップ焼きそばの蓋の上でソースと付属マヨネーズソースがその温もりに緊張を緩ませる間、冷蔵庫を開くと、トニック・ウォーターの瓶を取り出し、その冷たさと潤いを以てして酔いの醒ましとする。
レイはこの手のインスタント麺は硬い方を好むため、いつも規定時間を待たない。5分待てと言われたら3分、3分待てと言われたら、2分で湯を切ってしまう。
彼はその日も2分で湯を切った、冒涜的であるとさえいえる行為だ。――――だが彼にしていえば、暗殺者という職業はそういう仕事だ。80年あるものを30年で切り上げさせたり、20年で切り上げさせたりする。世の中には様々な事情によって、セットされた
湯を切り終えたレイが温まったソースの袋を手にする時、台所の窓から見える空の色が目に入る。
――――明星の空が深き闇を祓い、新たな一日を呼ぼうとしていた。
よたばなし「やきそば」おしまい。
ATSitDC:ジャンクヤード! キモくて金のない狂ったボロボロのおっさん @Eijitsu
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