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怪奇な事はいつも突然やってくる。誰にだっていつか訪れるらしい(高橋談)。だが、俺の奇々怪界な事件はもう始まっていて、そこに居るのは色白の少女だった。本人曰く、この世に未練を残したと言っているのだが、それが分からない限り成仏出来ないんじゃないか。


ガタンゴトン...帰りの電車、今度は地下鉄に揺られ俺たち3人は帰路へついた。だが途中で


「そうだ、飯は何が良い?」


いつもながら兄貴が突拍子もなく俺たちに尋ねてくる。昼飯?晩飯?そんな時間にはまだまだ微妙な時間帯な気がするけど。


「まだ晩飯早いんじゃない?それにしても急な話だね」


「まぁな。この電車は築地の近くを通るからな...今後の展望はまだまだ時間が掛かりそうだが、美味い海鮮料理ならこの辺りで、飯を取るのも良いと思ってな...」


「確かに江戸前寿司って言ったりするぐらいだし、結構有名なお店もあるってTVでやってたね。でも良いの?高いんじゃない?」


俺の頭の中では某芸能人御用達の超高級料理店の絵が頭に渦巻いていた。多分、座っただけで3万くらい取られそうな店。ドレスコードとかめちゃくちゃ厳しいところなんだろうな...そこに...清ちゃんはまぁ...子供って事でギリ許されるとして、俺のラフな格好はダメだろうし隣の筋トレ魔人はそもそも入店を断られるに決まっている。


「まったく問題ない。家族で来る人も多いし、単身者で来ても美味い飯が食える場所だ。それに寿司は江戸時代からある由緒正しき日本食」


チラッと清ちゃんの方へ視線を向ける。清ちゃんは電車の吊り広告に興味を示しているようだ。


「なんだか兄貴がお寿司を食いに行きたいって言ってるんだけど、それでも良い?」


「あ、はい...そうですね...すごく楽しみです!」


あまり問題は無さそうだった。まあカルフォルニアロールとか出さなければ、多分そんなに驚きは無いのかもしれない。

隣の少女は兄貴の言うセカンド復活チャンスに大いに納得が行ったようでこの味気のない地下鉄を非常に楽しんでいる様子だ。飯の事など気にならない程に。


「何だかそれでOKみたいだし、良いよ。でも兄貴、その店にはプロテイン寿司とかエナジー海鮮丼とか変な料理は出してこないよね?」


「残念だが無いな、それは。そんなにお望みなら......」


「あ、結構です」


バッグからゴソゴソと何かを出そうとしている。あーそう言うのは良いから。


「それにしても......」


俺は視線を少し上に上げる。そこにはありきたりな吊り広告に芸能情報しか載っていなく清ちゃんの教育上よろしく無いんじゃないかと思うと、少し心配だった。

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俺と幽霊と... 絵応クロ @96noa

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