生命を「消費」するという事

他の生物を捕食することは、生命活動において最も基本的な消費行為だと思います。
この作品では生命の「消費」がさまざまな形をとって表現されています。

※以下、若干のネタバレを含みます。

作中ではフォルカスという猫の死について語られますが、私はペットもまた人間によって消費される存在なのではないかと思いました。
猫のフォルカスもまた生命を消費する存在であり、培養肉を拒絶して衰弱していくフォルカスになんとも言えない感情がこみ上げてきました。

人類は長い歴史の中で、様々な動植物(人間自身も含め)を管理することで社会を維持し、発展させてきました。
科学技術の発達は社会に変化をもたらす。そうすると消費のあり方も変化し、やがて歪みや問題がでてくる。

最後まで読み終えた時、タイトルの『フォルカス倫理的な死』が示しているのは何なのか、深く考えさせられる作品でした。

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