調子はどう?
午後野 有明
調子はどう?
今日会社から帰る途中に、私は不思議な少年と出会った。
彼は道の端でしゃがみ込み、何やらぶつぶつと唱えているのだ。
気になって少年との距離を少し詰めてみると、何やら誰かと会話しているようだった。
「調子はどう?」
「元気にしてる?」
「何だって?小山田さんが死んだ?それは残念だ。」
もう少し近付いて上から覗き込んでみると、少年の視線の先には蟻の行列があった。
……なるほど、蟻と会話して寂しさをまぎらわしているのか。
私はそう思いながら彼に話し掛けてみた。
「やぁ、君。一体そこで何をしてるんだい?」
彼は振り向くなりこう言った。
「あなたで丁度100人目。」
すると少年はみるみる大きくなるではないか。
……いや、少年が大きくなっているわけではない。
「あぁ、なるほど。」
私はようやく状況を把握した。
そして少年は私に話し掛ける。
「調子はどう?」
調子はどう? 午後野 有明 @xxxsgm
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