冒頭の掴みが素晴らしいですね。得体の知れない“相手”との圧倒的な力の差が、恐ろしいほどまでに伝わってきました。「こんなやつと、どう戦うんだよ…」って感じです。ストーリーもさながら映画のようで、次はどうなるんだ?と震える手を抑えて読みすすめたくなります。
映画などで不穏さの演出として、低い重低音を流すことがある。この作品の冒頭から流れてくるのはそれだ。徐々に音量を増し、読み手の心を揺さぶり、切迫してくる。そして…この作品に出合えたことに感謝を。