逝って目指すは黄泉平坂

　私は神社生まれで、神主としてそれなりに修行を積んでいた。だから死んだ後は、先祖に倣って、黄泉路を抜けて常世国に逝くのだと思っていたのだが……私は今、“天国”にいる。おいこらまて！？　そこの天使！　何で私を天界に連れてきた？
　死後の予定が崩れたじゃないか！！　え？　予定は何かって？　決まってるだろ！　黄泉の国に逝って……伊邪那美命のお膝下、見目麗しき黄泉醜女たちとキャッキャウフフすることだッ！！
　ええい離せ！？　私は黄泉平坂に逝くんだよーッ！！　……と、こんな感じで、スペックが高い割には色々と残念な主人公が、様々な死後の世界を渡り歩き、黄泉平坂を降って黄泉に辿り着くまでのお話です。
　注意：宗教色が強く、独自解釈による揶揄や誇張が含まれていますが、実在する特定の人物や、宗教を批判する意図はありません。