シャチホコ5匹目 体と心は表裏一体、鍼・整体・マッサージで調節!
ここまで読んだ皆様は、「病院とカウンセリングだけで十分なのに、まだあるの!?」と思われるかもしれませんわね。
ふふふっ。甘いです!
今まで紹介してきたのは、「心」を治療する方法でした。
この章で紹介するのは、「体」を治療する方法ですわっっっ。
え?何で、心の病気に体の治療が必要なのかですって?
おほほほほっ、何を当たり前のことを。
金のシャチホコに笑われてしまいますわよっ。
「何、アホなしゃべり方しとっとよ。全然似合わんって」
あり?何であんたがこぎゃん場所におっとよ。
「Nから聞いたんよ。なーんかあんたが、えらそうにしゃべっとるって。それになんね、シャチホコって。シャチホコに祈れって、もうちょっとありがたか神さんどん、おらすやろうに」
別にえらそうにしゃべっているつもりは……。
「なーんば言いよんね。さっきのあんしゃべり方は、なんね。かしこまってから。普通にしゃべらんね、普通に」
ええと、M……ここ、飲み会の席じゃなかけん、共通語でしゃべろう……?
「だけんたい、何で金のシャチホコと?」
それは、前のページでも説明したけどさ、金のシャチホコが、火除けのお守りだからです。
別に金のシャチホコでなくてもいいのよ。
ようは、人を呪うより、火除けや厄除けのお守りに、自分を守ってもらうように祈った方が、よほどマシってことなんだから。
「まあ、そぎゃんこと言うばってん、金のシャチホコがついていた安土城(一五八二年・本能寺の変の後)も、大阪城(一六一五年・大坂夏の陣で)も、名古屋城(一九四五年 名古屋空襲で)もみーんな燃えたばい。ご利益あっとね」
それば言いよったら、きりがなかたいね。
だいたい、「篤姫」の登場人物である和宮も、旦那の家茂が病気にならした時に、お百度参りばしとらすとよ!?
ばってん、旦那は結局早死にしとらすたい。
「じゃあ、祈らんでもいっしょじゃなかね」
だから、こういうのは、気持ちの問題なんだって。
それに、神さんの力じゃ及ばん時も、あっかもしれんでしょうが。
ばってん、こん神さん達は、呪い代行に比べれば、優しいかとよ。
「優しい?」
「金ばとらっさんでしょ」
「それは、言えるかも。でも、なんで目に見えんとに、金ば出さすと? 私は、出しきらんばってん」
まあねって……。ああ、しまった。
Mのようけいなちゃちゃ入れに、皆様を混乱させてしまっていますわね。
M、そん話はまた後でするけん、今は……
「そぎゃんケチな言葉言わんで、さっさとあんたの知っとることばしゃべんなっせ。私も最近激務で疲れ気味だとよ。疲労感が取れる方法と?」
……。どうして、こうわたくしの友達は……。
えーと、その前に皆様、紹介しておきます。
わたくしの竹馬の友、あるいは幼馴染のMでございます。
彼女は、ばりばりっのキャリアーウーマンでございます。
また、別の名を……
バキッ。いったあ~何ばすっとね!?
「よけいなことば言わんで、さっさと教えんねっ」
あいもかわらず、バリバリですよ、このお人。ちゃんと説明するけんが、共通語でしゃべってね、M。
「はいはいわかったけん、ちゃんと教えて」
若干方言が残っているけど。まあ、いいや。
えーと、じゃあ、説明します。
まず、ちょっと思い出してみましょう。
「疲れた~」と思う時、どこか肩とか腰がこっていませんか?
「肩こり!! 肩こりがひどかとよっ」
M……共通語……。
「はいはい。私は肩こりがひどいです―これでよか?」
ええと……ま、次行きましょう、次。
人間はですね、ストレスがかかると疲れになって、コリや張りになって、痛みになるんです。
それがひどくなると、病気になるんですね―。
前の章でNが「ストレスが原因で病気になるのは、他にもある」みたいなことを言っておりましたが、決して嘘ではないのです。
「つまり、ストレスから肩こりが起こっているわけ?」
簡単に言うと、そうです。
「でも、それと心の病気とどぎゃん関係があると?」
ああ、微妙な共通語だ……。
ま、いっか。
単純に考えるとそうですね。
例えば肩こりが酷い時って、楽しい気分の時?
「んにゃ、仕事がメチャクチャ忙しい時だね。当然、楽しい時じゃないね」
そう。それを、逆に考えるのが、この鍼や整体、マッサージを受ける時は考えるのでございます。
「もうちょっと、わかりやすく言えんと?」
ああああ……Mの視線が痛い……
じゃあ、もうちょっと考えてみましょう。
マッサージを受けたことある人は、マッサージする時、気持ち良くないですか?
「もう、極楽っっ」
ああ、Mは行っているもんね。
そうです、気持ちいいですよね。
それは、体の「こり」をほぐしているからです。
まあ、ちょっと痛い時もあるけれど、あんまり「つらい」とか「嫌だ」という気持ちは湧いてこないですよね?
つまり、体の「こり」を解消することで、精神がリラックスするってことです。
「ああ、なるほど」
これ以外にもね、体の、例えば背骨の歪みが体の疲れや、自律神経を乱している場合もあります。
つまり、体の不調がそのまま、精神に来ていることもあるっということです。
あくまでも、「来ていることがある」ということですから、その点はご注意くださいませ。
「じゃあ、心の病気の人には、あんまり効果なかってこと?」
いや、それはちょっと安易な結論だってばっっ。
あんたって昔から、どーしてそう、安易に結論出すのよっ。
「うるさかね、ちゃんと説明しなっせよ」
あああ、もうっっ。
あのね、例えば、心の病気で、自立神経失調症が症状としている時に治療すると、やっぱり症状が治まります。
それだけでも、体の負担が減りますよね?
そしたら、その分気持ちのストレスも減るってことだよ。
「あ、先に体を癒しちゃうってこと?」
そうです。
実際鍼とか整体とかマッサージなどの東洋系の医療って、精神と体を表裏一体で考えているところがあります。
「未病」という「まだ病気にはなっていないけど、治療はする」という考え方も、東洋系の医療独特の考え方みたいです。
「なーるほどね。そういえば、鍼も体のつぼを鍼で刺激して、コリや症状を解消するんだよね」
そうです。
また整体は、体の骨の歪みを直すことで、体を整えるという治療が基本です。
マッサージは、もう知っている人も多いと思いますが、体のつぼを手で刺激しますよね。
「でも、それでさ、心の病気はなおると?確かに、体の方には効果がありそうだけど」
うーん。
それは……ただ、「体」からの治療というのは、わたくしは、あっても良いと思います。
もちろん、心の病気の治療は精神科や心療内科の受診が基本ですけど、わたしくしは心の病気が発症した時、鍼が自律神経失調症に良い、とインターネットで知りました。
自律神経失調症の症状も出ていたので、鍼の治療に行きましたら、先生に「背骨が歪んでいるよ」と、言われました。
「これじゃあ、体の調子も、気持ちの調子も悪くなるよ」とも。
ううむっと思いましたわ。
確かに心の病気は、ストレスに原因があって起こる病気ですけど、自分の体も精神が不安定になるようになっていたわけです。
「発症しやすい体になっていたってこと?」
そうだね。
だから、体の方から治療をしていくだけでも、ストレスを感じにくくなってくる、とは思います。
「そぎゃん言われたら、今んうちに行っとかなんて思うたい。まあ、正直な話、幾らぐらいすっとね。マッサージは、だいたい三十分で、三千円ばってん」
あああ、共通語が……
「はいはい、言い直すけん。だいたい幾らぐらいかかるの?」
マッサージは、さっきもMが言ったように、三十分で、だいたい三千円ぐらいかな。
サロンとかは、保険が使えないからね。
サロンで鍼の治療をしてくれるところもあるけど、五千円ぐらいかかると思った方がいいと思います。
もちろん、そのサロンごとに料金は違うので、直接確認した方がベターです。
「体ば壊しとるとに、えらく高かね。もうちょっと安くはならんとね?」
もう、突っ込むまい……。
保険を使いたいなら、整骨院や鍼灸院がお奨めですね。
鍼灸院よりは、整骨院の方が身近にたくさんあると思いますが。
わたくしは整骨院にしか行ってないのですが、整骨院の場合は、電気治療をしてもらえます。
「電気治療?」
電気を当てて、体のこりを取るやり方だね、簡単に言うと。
これは、保険が使えます。
他に整骨院では、鍼や灸、整体をやっているところもあります。
鍼や灸は一部保険が適用できるみたいですが、整体は保険適用外です。
後、保険が使えない時もあるので、鍼や灸、整体をやらない整骨院もあります。ご注意くださいね。
「マッサージは?」
ああ、だった、だった。
マッサージも、一部保険が使えますが、使えないこともあります。
「その辺は、ちょっと複雑な決まりごとがありそうやね」
そうみたいなんですけど、やっぱりその辺のことも、わたくしは素人なんで、わかりません。
病院に行って、直接お聞きしてくださいとしか言えないんです。
「逆に言えば、使いたい時を選んで、お金を払って治療できるってことでしょ。サロンよりも、安くすみそうじゃなかね」
うーん。保証はできませんけどね。
わたくしの現在行っている整骨院は、確かに鍼・灸・整体込みで一回ニ千円、サロンよりは安くすんでいますけど。
でも、整骨院や鍼灸院などで保険内の治療を行うだけでも、また違ってきますから、受けてみる価値はあると思います。
「私、鍼とか整体とかやってみたことなかけん、怖かとよね。そんことば考えれば、まずは電気治療だけでも良かかもね」
まあ、疲れ気味な方にもお奨めな治療法です。
体の調子を整える一つの手段として、覚えておいてくださいませ。
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