シャチホコ7匹目 ゆっくり効きます、じっくり効きます! 花の波動使っています!!

 さあて。H先生は帰られました。

「このヒーリングについては、私はあまり知らないからね」

 と、いうことでした。

 まあ、この章で紹介するのも、代替療法ではございますが。

 代替療法と言うものは、確かに確実な医療方法ではないのですが、その分自由に自分で選べるメリットがございます。

 なので、H先生のようにレイキだけを選ぶも良し、わたくしのように幾つも選ぶこともできるのです。

 もちろん、全く選ばないのもありですのよ。

 ようは、ご自分がどうしたいか、でございます。

 ただ複数選べば、その分やる気とそしてお金も必要ですけど。

 そう言った意味からですと、この章で紹介するフラワーエッセンスは、手頃な価格で、そこまで気合も必要としないものです。

 レイキというものは、それ自体はすばらしいものでございますが、ヒーラーという方が間に存在し、その方の人柄やレイキへの考え方で、良い・悪いが決定してしまいがちです。

 まして見も知らぬ方、ホームページでじっくり判断するとは言え、初めて受ける時は、「吉と出るか凶と出るか」の心情、まるで江戸時代の大名の姫君の婚姻と似たものがあります。

 去年人気の篤姫も、そのような心情で嫁いでいったのではないでしょうか。

 そして将軍・家達を見て、どう思ったのか。

 興味深いものはあります。

「お兄様系? とは、思ったわね」

 ―はい?

「線が細くてね、顔も色白で。兄様に雰囲気が似ていたから、まあ、こんな感じならオッケー★でしょって感じだったな、正直言って」

 ……すいません、どちら様でしょうか?

「えっ―!? わかんないの!? 信じらんないっ」

 えーと。

「この格好で、この話の流れからしたら、わかるでしょ!?」

 すいませんっ。

 いくら現代じゃ絶対しない格好で現れても、その現代的な言葉遣い、しかもちょっと昔?って感じのしゃべり方をされたら、誰だって、信じたくありませんっっ。

「信じらんない―」

 その八十年代を思い出す話し方はやめてくださいっっ。

「だって―」

 あああ、バブル期の女子大生ですかっ。

「こんにちは、皆様。私、A姫と言います。よろしくね★」

 えーひめ? あ、愛媛県の方ですか

 。四国地方の北西部にある、柑橘系が有名どころ。

「えひめ? 何、それ。もしかして、松山藩のこと?」

 ……まがいものですね。

 あなたが生きていた時に、廃藩置県になったんですよ!?

 そのあなたが、どーして、廃藩置県の後に名付けられた県名のこと、知らないんですか! 

 しかも、何故にA姫っっっっっっ。

「本名名乗っていいなら、名乗るけどさ。めんどくさそーじゃない。それと、じゃあ聞くけどさ、あなた東北地方六県言える?」

 はあっ!? 何故に東北地方が出てくるのですかっっつ。

「いいから、言ってみてよ」

 ええっと、青森県と、岩手県。福島県とええっと…???

「後は、秋田県と山形県。それから宮城県よ。ほーら、言えないでしょ」

 九州地方なら、全部言えますっ。

「それは、生活している場所だからでしょ。そんなもんよ、実際は。私も正直、あの時代の政府関係者の名前なら、どんどん出てくるんだけど、新しい県名は覚えても、すぐ忘れちゃって。やっぱり、使わないと、忘れちゃうのよ」

 政府関係者の名前って……なんで、そんなに使うんですかっ。

「あのねー。確かに、世間一般では、私の人生って幕末しか注目されていないんだけどさ、その後の方が大変だったのよ。徳川家を守るために、もう頼れるコネは使いまくって、使いまくったわけ。新政府は、コネの宝庫だもん。使わなきゃそんって感じ」

 びみょ―に、現代っ娘の真似しないでくださいっっ。

 まあでも、そうですね。

 確かに、徳川家は今でも残っていますね。

「今は、いいわよね―。みんな自由だし。私は旦那亡くした後、もう一花咲かせたかったのにさ―」

 イメージ崩れますっっ。

「いいじゃない。もう死んでいるのよ。発言ぐらい、自由にさせてよ」

はっ、あああ~すいませぬ~どんぶらこっこ、どんぶらこっこと、離れないでくださいませ~。

 ええと、さっさと進めますね。

「え? 何? 何が???」

 すいません、この体験記の読者を待たせているので、邪魔しないでくださいませっ。

「勝手に人を引き合いに出して、何言っているのよ―。この体験記の趣旨はだいたいわかっているから、教えなさいよ―」

 ああああ、もうっっ。

 そのびみょ―に、伸ばす話し方は辞めてくださいっっ。

「えーん、お・し・え・てー」

 あああ~。

 あのですね、この章では、「フラワーエッセンス」について紹介しているんです!!

「ふらわーえっせんす? 何、それ」

 それを説明しようとしていた時に、あなたが出てきたんだしゃないんですかっっっ。

「過去のことをぐちぐち言うのは見苦しいわよ? 女の道は一本道! 振り返るのは恥でございますわよ」

 ……耐えろ。耐えるのよ、わたくしっ!

「前の章で紹介していた、『レイキ』ってものよりも、気軽に使いやすいって言ってたわね。自分でできるって、ことなの?」

 さすがに、頭は回るんですね―この方。

 そうです。

 間にヒーラーさんとか他人が入らなくてもできる、その点から考えましても、フラワーエッセンスは、かなり気軽にできるヒーリング方法でではあります。

 フラワーエッセンスと言うのは、花の出しているエネルギーを水に移して(転写といいます)、そのエネルギーを体に取り込むものです。

 まあ言ってみれば、水を媒介にして、花が出しているエネルギーを取り込むということになりますね。

 なので、フラワーエッセンスのボトルに入っているのは、「水」です。

 後、防腐剤のかわりに、グリセリンかビネガーが入っています。

「何、ようするに、薬か酢入りのただの水なんでしょ??? どうしてそれが、ヒーリングになるの!?  そんなものに金出せって!?って言うか、そんなんで効果あるの!?」

 江戸時代のお姫様とは思えぬ、発言ですわね……。

「当たり前でしょっ。その後の時代に、どれだけその『お金』に苦労したと思っているのっっ。私一人ならいいけど、抱えている者達のためには、どれだけ『欲しいっ』と思ったかっっ」

 す、すいません。

 その手の話はこの体験談とは無関係……。

「とりあえず、そのふらわーえっせんすとやらの正体を説明してもらおうじゃないのっ」

 なんでそう、ケンカ越しになるんですか。

 まあ、いいですわ。話を続けます。

 では皆様、ちょっと思い出してみてくださいませ。

 数年前に、「言葉」で、水が作り出す結晶の写真集が出版されました。

 テレビなどでも放映されたようですので、ご存知の方もいらっしゃると思います。

 この写真では良い言葉ではきれいな結晶が、悪い言葉では、崩れた結晶ができた写真もありました。

 わたくしは、この写真を見て、「言霊」という言葉の意味を実感したものです。

「ようするに、言葉の持つエネルギーを水が写しとるのであれば、花のエネルギーも同じことが言えるってこと?」

 さすがに、話が早いですわね。まったく、その通りでございます。

「でも、その証拠はあるの?」

 それは、ないですわね。

「開き直らないでくれる!?」

 そうは申しましても、水の結晶にしましても、科学的ではない、という方もいらっしゃいますし、フラワーエッセンスも科学的根拠は今のところ、ないのでございます。

 しかし、突っ込みが激しくなりましたわね。

な んか、さっきよりも立場が逆になったような気が……。

「私よりも百年後の人達がこんな、得体なものを信じるなんて、信じられないのよ!!」

 まあ、今は、科学技術も進歩していて、人が宇宙に住む時代ですからね―。

「そうよっ、それなのにっ」

 ですが、A姫様。このフラワーエッセンスの歴史は意外に古く、一番知られている「バッチフラワー」は、七十年ぐらい前に作られたものでして、イギリスではごく普通に、薬屋さんに売っているということです。

 日本では、薬局にしょうが湯が売ってあるのと、同じ感覚でしょうか。

 最近では、マウントフジやFESなど他の製品も出てきておりますが、昔からある代替療法の一つなのですわ。

 そのようなことを考えますと、いちがいに「嘘だ、迷信だ」と言えないと、わたくしは考えますわ。

「何言ってるの。私よりも、全然、新しいじゃない! 五十年ぐらい、差があるわよ」

 ……。えーと。ま、それはさて置いて。

 ここでは、「バッチフラワー」に的を絞って、語らせてもらいます。

「無視したわね。私の突っ込みを」

 だって、後の時代の者達にとっては、五十年も百年も対して変わりないんですよ。どーせ過去ですし。

「うっわ~嫌な切り替えし。どーせ、あなた達もその過去の一部になるのにね。それで、このふらわーえっせんすとやらは、どうやって手に入れるのよ」

 まずこのフラワーエッセンスを購入したい場合は、やはりインターネットを使っての購入が一番早いです。

 最近は、フラワーエッセンスを取り入れる病院もあるそうですが、まだまだ数は少ないようです。

 雑貨屋さんやデパートで取り扱っていることもありますので、そんなお店が近くにないか捜してみるのも手です。

 で、いざ購入をしようとしてみると。

「なんじゃ、こりゃあ!?」

 と、叫びたくなる方もいらっしゃるかもしれません。

 って、言うか、叫んでいらっしゃってます!!!

「なんでこんなに茶色の小瓶があるのよっ」

 別に世界の真ん中で、自分の愛を叫びたくなったわけではないんですね。

はあ、そうです。

 このパッチフラワーには、三十八種類もあるわけです。そう。三十八本も、茶色の小瓶があるわけです。

 パッチフラワーは、フラワーエッセンスの入ったボトルのことを、「レメディー」と言いますが、ここでは「ボトル」で説明を続けさせてもらいますわね。

「さすがに、三十八本のボトルを全て買うわけにはいかないでしょっ」

 まあ、そうですわね。なんせ会社の違いもありますが、一本二千五百円前後はしますもの。

 あ、パッチフラワーは、数社の違った会社が出していますのよ。

 違いを捜してみても、面白いかもしれません。

「会社はいいから、どうすればいいのか説明しなさいよっ」

 簡単ですわ。カンで選べばよろしいのです。

  パッチフラワーも、他のフラワーエッセンスも、しょせん水です。

 薬と違って副作用の心配はございませんから、御自分で選んでよろしいのです。

「……この体験談を読んでいる皆様に、帰り支度を奨めていい?」

 え!? あああっ、読者の皆様、帰り支度をされませんようにっっ。

 しかも何故にA姫様、金のシャチホコを抱きしめていらっしゃるんですかっっっ。

「これで殴られたくなかったら、ちゃんと説明しなさいっ」

 えーん、わたくし怖いですわっ。

 でもカンで選ぶのは、間違った選び方ではないのだそうです。

「自分の心」が今必要としているボトルを、無意識でも選んでいるそうです。

 ですがそうは言っても、「選べない」と言う方もいらっしゃいますわね。

 そういう時は、人に聞くのが一番です。

 お店では店員さんに聞くと、御自分の心の症状や体の症状によって、店員さんが症状に合ったボトルを教えてくださいます。

 場合によっては、パッチフラワーに使われている花や植物の写真を見せて、

「この中から、気になる、あるいは、嫌な感じがする植物を選んでください」

 と言われるかもしれません。

 その時は、写真を見て、一番気になる・あるいは嫌悪感を持つ花や植物を選んでください。それが、今のあなたに一番相応しいボトルなのです。

 インターネットでの購入を考えていらっしゃる方は、やはりショップの方にメールで相談するのが一番ですわ。

 でも、フラワーエッセンスのサイトでは、無料診断をしているところもありますから、そちらを参考になされるのもよろしいかと思います。

 わたくしの場合、雑貨屋さんで購入している時は、「オリーブ」のボトルをよく買っておりました。

 「オリーブ」は、心身ともに疲弊しきっている時に効果があるということでしたので、当時全くその通りの状態だったわたくしは、よく購入しておりました。

 また、わたくしにレイキを「伝授」してくださったヒーラーの方が、このフラワーエッセンスをやっていらっしゃって、わたくしが花や植物の写真から三種類選んだものを見て、それに合わせて調合してくれたものも飲んでいましたわ。

 そして毎回のように、「アスペン」のボトルが選ばれておりました。

 あ、この数種類のボトルを調合する方法は御自分でもできますが、できましたら、インターネットのサイトで、調合してくれるところを捜した方が、お値段的にはお得なことが多いですわ。

 もちろん、一本でも何ら問題はございません。ですが、わたくしが毎回「アスペン」を選ぶのを見て、ヒーラーの先生が、

「自分の作り出した不安から脱出できるといいんだけどね~」

と言って、あれこれ気遣ってくださいました。

 「アスペン」は、「言い知れぬ不安感」がある時に使うといいとされているそうです。

「なるほど……。これなら、このシャチホコは、しまってもいいわね」

 しくしく。

これで少しは、納得してくださいましたでしょうか?

「でもさ、自分の症状に合ったボトルを購入したら、早速飲んでいいのよね? いっきに飲んでしまうの?」

……ええとっ。仮にも一本二千五百円前後のものを、いっきに飲むのはもったいないですがよっっ。

 だいたい、一日にニ~三回以上、一回につきニ、三滴から七滴ぐらい、お茶や飲み物に入れるか、直接舌にたらして、飲むようにしてください。

 この時、スポイドの先端は、舌先や飲み物に付けないように気をつけてくださいませ。

「あ、でも、これ酸っぱかったりグリセリンというお薬が嫌いだったりする人は飲めないでしょ? その人達はどうすればいいの?」

 あ、それでしたら、飲みたくない、とおっしゃる方は風呂に入れるという手がございます。

 だいたい一回につき十二~十五滴ぐらい、入れるとよろしいようですわ。

 後は、スプレーに入れて、噴射するという手もありますが、これはミネラルウォーターなどで薄めて使ってもよいようでございます。

「でも、こうやって毎日フラワーエッセンスを使って、いまある状態が劇的に変わっていくか……とはいかないんでしょ? 残念ながら」

 いきなり、直球で来ましたわねっ、A姫様っっ。

「だってね―。人生、そんなたかが二千円そこらの値段で劇的に変わるもんでもないし、さらに言えば、どんなにお金を積んで、自分の状況を変えても、結局は、自分でどうにかしなきゃいけなくなるのよ」

 なんか、えらい実感こもっていますわね。

「そりゃあね、自分で体験済みだからよ。私もわかーい娘っ子の時は、あの、今あるベルトコンベアーって言うの? あんな感じで、自動的に、自分の人生は進んでいくもんだと思っていたのよ。実際、嫁ぐまでは、そんな感じだったからね―」

 まあ、あの時代の武家の女性は、そんな感じじゃないんですか?

「そうね。まあでも、それは子どもだから許されていることよ。嫁いでからは、もう、予定外よこれっ、の連続でしょ。夫は線が細い人だなあと思っていたら、精神の線まで細かったし、挙句の果てには早死にするし、養子のお嫁になった人は良い女性だったのに、周りは『京じゃ、京風じゃ』と、お前らこの厳しい世情に、なにのん気なこといっとるんじゃ、と言いたくなる奴らばっかりだったし……」

 わたくしは、絶対に、歩みたくない人生でございますわねっ、本当にっっっ。

「でもね―。人生は、結局自分で切り開いて行くしかないのよね。これだけは、どんな人間にも公平に与えられたものなの。ほんとーに、そう思うわ」

 傍から見れば、このお人も、今で言うとシンデレラガールだったんですよね。

 ですが、その当人になってみますと、意外に見えないところで、苦労や哀しさを背負っているものでもあります。

「それにね、逆を考えれば、自分がその気になれば、いくらでも人生など変えられる、ということなのよ。そのために、その『力』のために、このフラワーエッセンスは、あるんじゃないの?」

 おっと。

 本当に、さっきまでの怒りが嘘のように、理解をされていますわね。

 その通りでございます。

人生を生きていく自分に「力」を与えるために、フラワーエッセンスは、作られたそうです。

「あきらめなきゃ、幾らでも人生はやり直せるのよ。今は、みーんな長生きでしょ? 八十年も人生があるなら、なんだってできるでしょ。私だったら、絶対もう一花咲かせるわねっっっ」

 ははは……。

 ほんとーに、皆様のイメージ壊しそうなんで、ここいらで、止めてくださいねっっ。

 皆様、無理はいけません。

 ですが、決してあきらめないでくださいませ。

 フラワーエッセンスもそうですが、ここに書いたヒーリングを活用するときも、「あきらめない」ことが大切なのです。

 もちろん全く使わなくても、「あきらめない」ことが大切なのですわ。

 まずは、御自分が元気になること。

 そのために、このフラワーエッセンスも活用するつもりでいてくださいませね。


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