シャチホコ8匹目 綺麗ですっ。カラフルですっ! でも、占いじゃないし、魔法でもありません!!
ま、そうは言ってもですよ。
わかっていながらも、できないものなのでございます。
「人生自分次第と言うのは、わかっているけれど、前に進むことができないのよっ」と、前章のわたくしの文章を読んだ皆様、そう突っ込まれたことでしょう。
んで、ここでのわたくしの文章を読んで、さらに突っ込みたくなったのでございましょう。
「いったい、どっちなんだっっ」と。
答えは、どちらでもございます。
踏み出す勇気は持てなくても、理想はしっかり持っておきたいな、ということでございます。
さらに言えば、レイキやフラワーエッセンス、そしてここで紹介するオーラソーマなので、大幸運を期待することはだめだ、ということを、自分も含めて、確認しておきたいのでございます。
しかし、そうは言っても、期待もしたいんですよね、正直。
「こんな効果がありましたっ」とか体験談に書かれると、やっぱり自分もあるのかなあと期待するもんじゃないですかっ。
そうならないように、日々自分を戒めているわたくしなのです。
「甘いですわね」(ぼそり)
きゃぁぁぁぁ~出たあ~。
しかも耳の後ろから、息吹きかけているしっっ。
「失礼です。人を、化け物みたいに」
……。
あ、そうそう。A姫様は戻られましたわ。
あの方は、しっかり、フラワーエッセンスを持っていかれました。
「もてるフラワーエッセンスないの~?」とも聞かれましたが、「ご自分の努力です!」と答えたわたくしです。
「すいません、無視しないでくださいませ」
すいません、無視させてくださいませっ。
この手のパターンは、前の章の方だけで十分でございますっっ。
「そのようなことは、言わないでたも」
すいません、言わせてくださいっっ。
「せっかく、お姉様から教えてもらったから来たのです。相手をしてくださいませ。あ、皆様。こんにちは。わたくし、K宮と申します」
けーみや? ああ、ケニアの方ですか。
正式名称は、ケニア共和国。
アフリカの東部にありまして、首都はナイロビ。サファリパークが有名どころ。
「ちなみに隣接する国は、エチオピア、ウガンダ、ソマリア、スーダンですね。面しているのは、インド洋。アフリカの中でも、工業化が進んでいるところです」
……まがいものですね。
あなたが生きていた時代よりも、かなり後になってからそれらの国々は独立したんですよ!?
そのあなたが、どーして、現代日本人も言えない国々の名を言えるんですか!
しかも、何故にK宮っっっっっっ。
「お姉様の時と、同じような突っ込みをなさってくださいますね。理由は、お姉様と同じですわ。それに、確かにわたくしは百年以上前に亡くなっておりますが、あの世では、あんまり関係ありませんのよ。なんせ死後百年なんて、まだまだ新参者ですもの」
はっ? 百年前に死んだ人が新参者って。
「人類の歴史が始まって、十万年は経っているのですよ? ましてあの世にとって、百年という時間は、あっと言う間ですわ。こちらで言うなら、ほんの数年……と言った感じですもの。それに、わたくしの後から来た人達に教えてもらったり、いろんな方とお話したりすれば、たいていのことはわかりますわよ」
いろんな方って。
「ミッテランさんとか、ロダンさんとか、他にもいろんな方に教えてもらいましたわ」
何気に、いい男の名が出ていらっしゃいますが。
「ロダンさんは、わたくしより七つ年下の方ですけど、フランスではすばらしい彫刻家として名を上げた方ですし、ミッテランさんは、その後の時代で、フランスの大統領として活躍なさった方ですわよね?」
どちらもなかなかのイケメン、そして、どちらもフランス人というのが、わたくしには気になるのですが。
「あらそんなの、偶然ですわ」
水を差すようですけどね、K宮様。
ロダンは愛人を捨てて、その後発狂させた男ですし、ミッテランは、三十年来の愛人がいる、ある意味どちらも女の敵のような方ですよ。
「そんなの。わたくし達が生きていた時代は、もっとあったわよ。妻と愛人が同居するのも当たり前だったし。わたくしが住んでいた大奥も、まさにそれじゃないですか」
あ、そーいえばそうですね。
でも、あなた様の旦那様は、側室いなかったんじゃないんですか?
「そんなわけないでしょ。わたくしが皇女ということで、幕府が隠していただけですわ。いましたよ、ちゃんと。大奥にはいないようでしたけどね」
そうだったんですか?
わたくし達の時代では、K宮様と旦那様は、とても仲が良かったと伝えられておりますが。
「そうですわね。とても、大切にしてくださいましたわ。でも、それは幕府と同じで、わたくしが、皇女であったせいもあると思います」
うーん。何とも言えないというか、案外、そんなものかもしれませんね。
「あら。でも、わたくしがあの方を夫としてお慕いしていたのは、事実ですのよ。わたくしが育ったのは、母親の実家で周りの仕える者は女性ばかり、身近にいる家族も母のみでしたから、男性が苦手でした。でも、そんなわたくしにも、あの方はとても優しくしてくださいましたもの」
あれ? 確か、母親は違いますが、お兄さんとお姉さんもいましたよね?
「わたくしが生まれた時、既に父親は死んでいたのですよ。それだけでも、年の差がかなりあると想像できません?」
あ、そーですね。
「母が同じ姉もいましたけど、幼い時に死んでいますしね。他の異母兄弟達も、ほとんどが幼い時に亡くなっているので、わたくしは、ほとんど一人っ子という感じで育ったのですよ」
なるほど……では、先ほどから「お姉様」と言ってらっしゃるのは、どなたですか?
「そんなの、A姫様のことに決まっているじゃないですか」
えっ、だって、A姫様とあなた様は、嫁と姑の関係では……。
「あの方とわたくしは、十歳しか違わないのですよ? 確かにあの方はわたくしの夫の養母に当たる方ですが、あの方を、『お姑様』とはとてもじゃないけど呼べないと、正直思いましたね。まあ、でも、実際はそうはいかないんですけどね」
まあ、その辺のことは、モメられたんですよね~~~。
「周りにいた者達が、多すぎましたわ。彼らにとっては、『仕えている主人のため』という大義名分がありますもの。だから、幕末以後のお姉様とのお付き合いは、とてもうれしいものがありましたわ」
何か、宝塚のファンの方のような目をしていらっしゃる気がするのは、わたくしの気のせいでしょうか……。
「ああ、随分とわたくし達の会話でページを取ってしまいましたわっ。わたくしは、お姉様に奨められてここに来たのですっ。さあ、この章でのヒーリング方法って何ですの!? 教えてくださいませっっっ」
いえ、わたくしが紹介しようとしていた時に、あなた様が現れて……って、何故に金のシャチホコを!? い、いつのまにっっっ。
「くだらないヒーリング方法ならば、これでなぐるようにと、お姉様にも言われて、預かってきましたの」
あのですね―。
それで殴ると、傷害罪ですよっ、犯罪なんですよっっっ。
「死んでいるわたくしには、関係ありませんわ」
何、開き直っているんですかっっっ。
「さあ、ささっと紹介してくださいませ。おーらそーまとやらを」
すいません、雛人形とそっくりのその格好で迫られると、怖いものがありますっっ。
「……殴られたいのですか?」
説明しますから、まずは離れてくださいってばっっ。
「わかりました。離れますから、ささ、早く説明してくださいませ」
はあ……やっと離れてくれましたわ。ぜい、ぜい。
ええとですね、オーラソーマとは、百六本のカラーボトル(正しくは、イクイリブアムと言います)を使って行う、カラーセラピーのことです。
「からーせらぴー?」
日本語で言うなら、色を使った癒しってとこですかね。
カラーセラピーは、昔から、日本でも使われている療法です。
例えば、皆さん時代劇で病になったお殿様の頭に、紫の布が巻いてあるの、気がつきませんか?
「ああ、あれのことですか。あれはですね、病気の邪気除けの意味があるのですよ」
さすが、江戸時代の皇女様。おくわしいですね―。
「わざわざ褒めなくても、途中で、金のシャチホコで殴ったりしないので、安心してくださいな」
そんなにっこり微笑まれましても、怖いだけですっっ。
「それよりも、続きを説明してたも」
なぜに、そこでいきなり昔の言葉……って、すいません、続きを説明しますっっっ。
だからK宮様、顔を近づけるのは止めてくださいっっっ。
……ええと、失礼しました。
今でも、カラーが持つ力はよく利用されています。例えば、ファーストフードでよく使われている「赤色」は、食欲を促進します。
それを知っているファーストフードの会社は、お客さんに沢山商品を食べてもらうために、ラッピングの紙やコップの色に使われているんですね。
オーラソーマは、そんな古代からのカラーセラピーの考え方と、オーラソーマを開発したヴィッキー・オールの持つ植物学や自然治癒療法が融合されて、作り出されたヒーリング方法なのです。
「なるほど。おもしろい考え方ですのね」
そうですね。
さて、このセラピーで使う、カラーボトルは、二層に分かれていまして、エッシェンシャルとハーブエキス、クリスタルと鉱物のエネルギーから作られております。
「……本当ですの? それ」
K、K宮様っ。なんちゅー直球な質問をっ。
「確かに、この瓶に入った水は、二色の色に分かれていますわ。ですが、これは本当に自然の物だとは、信じられません」
できるだけ自然の色を使って、カラーボトルの色を出しているそうです。
「……びみょーに、誤魔化されているような気がするのですが」
まあ、その辺はあまり突っ込まないでくださいませ。
結局、信じるか信じないかは、その人次第なのですわ。
それを言ったら、フラワーエッセンスもレイキも、はっきり言って、その効果については、科学的な証拠はまっーたく、ないのでございますのよ。
「……金のシャチホコで、殴ってよろしいですか?」
K宮様っ、最後までまだ説明していませんっっっ。
「……そうですしたわね。最後まで聞くのが、物の道理言うもの。わたくしとしたことが、我を忘れておりましたわ」
こ、怖いです、K宮様。
「続きを説明してたも」
その言葉は、さらに怖さ倍増ですが……ええとですね、はい、さっさと説明しますっっっ。
まず、断っておきますが、オーラソーマでは、ボトルを選んでもらい、そのボトルを見て、セラピストがあなたに対してそのボトルから必要とされる、情報を与えることを、コンサルテーションと言います。
コンサルテーションは、百十四本のカラーボトルから、四本選ぶことから始まります。
百十四本のボトルの中から、「気になる」ボトルを選んでください。
「何故に、四本もボトルを選ぶ必要があるのですか」
あ、それはですね、それぞれに意味があるからです。
まず、一本目のボトル。これは、選んだ方が本来持っている能力や使命、過去の出来事などを表します。
二本目のボトルは、選んだ方が持つ課題や問題を表します。「チャレンジボトル」とも言います。
三本目のボトルは、現在の状況を表します。
四本目のボトルは、選んだ方が望む自分の未来の姿を現します。
カラーセラピストが、クライアント(ようするに、コンサルテーションを受けている方のことですわ)の方が選んだボトルから、それらのことを伝えてくれます。
「なるほど……それで、終わりですか?」
いいえ。
選んだボトルは買うこともできます。オーラソーマでは、「チャレンジボトル」と言われるニ本目のボトルを使うことをお奨めしています。
選んだ人の課題を克服するために必要な「力」を与えてくれるボトルだと、考えられているからです。
でも、あまりこれにこだわらず、自分が使いたいな、と思うボトルを使ってみてもいいそうです。
「で、これをどう使いますの? 前の章の時と同じように飲むのですか?」
それは、止めてくださいっっ。
一応、オーラソーマのボトルは、化粧水とされています!
なので、これは、体につけるのが基本でございます!!!
「体につけるということは、好きな部分につけてよろしいのですか?」
それが、実はボトルによって塗る場所、塗る方法が違うんです。
もちろん、体のどこでもつけてはいいんですが、高く効果を発揮して欲しい時は、やはり、決められた部分につけるのがお奨めだそうです。
「なるほど……おもしろそうですわね。どのようにしたら、手に入れることができるのですか?」
ボトルは大きいのが、だいたい、五千五百円前後で売られています。
ボトルはインターネットオークションでも売られていますが、そこで購入しても効果は薄いそうです。
「何故ですの? 安く手に入りますのに」
「あなただけ」のボトルは、やはりコンサルテーションを受けたセラピストの元で購入した方が、効果は発揮してくれると言われています。
なので、なかなかコンサルテーションを受けることができないのであれば、新品のものをインターネットの通販等で購入するのがお奨めです。
これは、ボトルは触ったり一度シェイクしたりすれば、その人の「波動」を覚えてしまい、その人以外には、効果が出なくなる、と考えられているからです。
「その考え方は、前の章のフラワーエッセンスと似ていますわね。結局、これも、ボトルのもつ波動とやらを体に取り入れることが、その目的なのではないですか?」
そうです。
そうすることで、自分に「力」を与えていくという考え方ですね。
そのボトルの「力」を自分の中に定着させたいのであれば、大きいボトル分は必要だと考えられています。
「なるほど。あちらは口からエネルギーを取り入れますが、このオーラソーマのボトルは、体につけることで取り入れる方法ですね」
やっぱり、この方も頭は良いんですね―。
こんな短時間の説明で、理解されるとは。
あ、それと言い忘れていました。オーラソーマのコンサルテーションは、だいたい一時間五千円~一万円ぐらいです。
高い値段のところになると、オーラソーマのボトルを付けてくれたり、ポマンダーやクワントエッセンスという、他の商品を付けてくれたりするところもあるようです。
「あら。ボトル以外にも、あるのですか?」
イクイリブアムと同じで、皆様をサポートしてくれる商品ではありますが。
実は、これらの商品は、文字で説明するのが、ものすごっくっっっっ、難しいのです。
ですので、興味のある方は、オーラソーマのサイトもございますから、そちらをご覧くださいませ。
「はいっ? それは無責任ではありませんこと!?」
いえ、K宮様。
わたくしも一応オーラソーマの講習を受ける前にも、一度読んだのでございますよ。
が、しかし。
が、しかし。
全くの理解不能だったのでございます。
コンサルテーションを受ける方は、セラピストの先生にお聞きした方がよろしいかと思います。
「……ようするに、きちんと読者の皆様に理解してもらえる自信がない、ということですか」
直球で言わないでくださいっっ。
だって、本当に難しいんですから。
ただ、オーラソーマの基本的なことは、四本のボトルを選んで、そこから己を知るということなのですから、もうそれ以上は良いかとも思ったのですよ。
「まあ、へたなことを説明して、誤解をさせてはいけませんものね。で、あなたはどうでしたの? このボトル達を使ったのですか?」
あ、それはもちろんです。
今も使っていますよ。
今使っているボトルは、ボトルナンバー8番の「アヌビス」というボトルです。 上の部分がイエローで、下の部分がブルーのボトルです。
「百十四本ボトル全てに名前があるのですか!」
はい。
ちなみに、この「アヌビス」のボトルは、「決断がくだせないこと、また人を判断、批判しやすいこと」を克服する力になってくれるものだそうです。
「なるほど……『決断』ですか。わたくしもあの時代に、もしこのオーラソーマのボトルがあったのなら、同じボトルを選んだかもしれませんわね」
そうなんですか?
でも、ボトルは百十四本あるんですから、コンサルテーション受けて決めてくださいよ。
たった一本聞いただけで決めていては、おもしろくないじゃあないですか。
「まあ、そうですね。あ、でも、これはセラピストの方が間に入るのですのよね。わたくしはかまわないのですが、それが嫌な方や、イマイチいい先生出会う自信がない方はどうすれば良いのですか?」
これは、コンサルテーションを行う先生方は、「あまり意味がない」とおっしゃるのですが、インターネットのサイトで、無料でコンサルテーションが受けられるサイトがあります。
ただし、自動設定ですので、答えは紋切り型です。
サイトによっては、イクイリブアムを購入できるところもありますから、「オーラソーマ 無料診断」と検索サイトに入れて、捜してみてくださいませ。
「それはいいですわね。わたくしも、早速やってみます!」
って……K宮様っ、パソコンお使いになられるのですか!?
「ちっちっちっ。甘いですわよ。人生は何事もちゃれんじっですわ」
って言うか、あの世にパソコンなんざあるんですか。
「そーんなまどろっこしいことしませんよ。直接、パソコンの中に行くんです」
はっ?
「インターネットで使う電波とやらと、わたくし達のように幽体になった者とは、似ているんです。だから、直接そこのホームページに行ってきますわ」
マジですか?
「そんなに驚くことではありませんわ。他の方も、すでにやっていらっしゃいますしね」
……。えーと、えーと???
「ふふっ。でも、お姉様の言う通りでしたわね。とても楽しく過ごさせてもらいましたわ。お礼と言ってはなんですけど、これをお渡ししますわね」
って、何、金のシャチホコを渡してくださるんですかっっっ。
「それ、本物ではないんですのよ。触ってみてくださいな」
あっ、このふわふわ感は……
「そう、ぬいぐるみでございました。ふふっ、ちょっとどきどきしていましたでしょ? これで殴られても、あまり痛くなかったと思いますわよ」
な、なにかしてやられた感じが……。
「あなたも、その金のシャチホコに祈ってみたらどうですか?」
今のその微笑みは、いじわるに見えますよ、K宮様!
「オーラソーマという綺麗な物を、紹介してくれて、ありがとうございました。これで人生が激変するとか、今の状態が上手くいく、というのではないでしょうけれど。でも、自分を振り返るのには、とてもいい物だと、わたくしは思いましたわ」
K宮様……何かさわやかな印象を残して、わたくしの言いたかったことも、言って去って行かれましたが……。
ええ、とても大切なことですわ。オーラソーマというのは、自分を振り返り、自分を見つめることが大切なのです。
そして、その自分を変えていくために、オーラソーマの百十四本のボトルがあるのです。
このオーラソーマも、ただ使っているだけでは効果がないのです。
まずは、自分が「変わろう」という意思がないと、だめなのですわ。
まったく、その通りです。
ですが、K宮様。
既にあなたは、あの世の方。
何が、目的で……
「もう一花、咲かせるわよっっ」
……聞かなかったことにしてくださいませねっっ、読者の皆様!
最後の言葉だけは、聞かなかったことにしてくださませ~~~。
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