シャチホコ3匹目 それでは、本題です。まずは病院に行こう!
どっかの番組をもじったようなタイトルになりましたが。
学校は行かなくてもいいんですよ、行きたくないならね。
ただし、学生諸君っ。勘違いしないようにっっ。死にたくなるほど学校に行きたくないなら、ですよ。
さぼっちゃいけませんぜ、楽に流されるのは己のためにはなりません。
楽した人は、楽した分の人生しかありませんぞっ―と、説教はここまでにして。
学校に行きたくない方。
仕事に行きたくない方。
死にたくなるほどつらいのなら、行かなくてもいいです。
ですがっ、病院には行ってくださいませ。
え? 病院にはもっと行きたくない??
私は心の病気じゃない、ですか……。
えーと、ですね。
「悪いところがあれば、病院に行くのが普通たい!」
あり? 何であんたがここにおっとよ。
「うるさかね、あんたがちまちま説明しとるけんたい。だいたいシャチホコって何よ、シャチホコって。この話に、どぎゃん関係があるとね」
……すまん、N。
ここは私とあんたとMの飲み屋の席じゃなかけんたい、共通語でしゃべってくれん???
あ、すいません皆様。
こちらわたくしの竹馬の友、Nでございます。
現役看護師な人で、精神科の病院にも勤めた経験があります。
「なーんば、わかりにくか言葉ば使いよっとね。幼馴染て言えばよかて」
N……だから、共通語……。
「あ、はいはい。体の具合が悪い時は、病院に行くよね。それと同じで、心の調子が悪い時も、病院に行った方がいいの。例えば、高い熱が出たとするでしょ。その時、『熱は出ていない。これは、気のせいだ』って、誰が言う? たいていの人は病院に行って診察してもらって、熱の原因教えてもらって、お薬をもらうよね。心の病気も、この流れと一緒です。逆に『行きたくない』と言って病院に行かないと、酷くなることもあります」
まあ、熱が高い時に「行く暇がないから」と言って病院へ行かなかったりすると、肺炎で入院、ってこともあるもんね。
「それと同じことが、心の病気にも言えるの。だいたい心の病気って、考え方を直したり、本人の気合を入れたりで治るもんじゃないの。あれは、脳がきちんと機能していないから、起こるのよ。確かに発症する原因は個人のストレスが多いけれど、他の―例えば胃だって、ストレスで胃潰瘍になったりするじゃない。だけどさ、胃潰瘍が考え方を直したり、本人の気合入れたりで治る? ましてそのまま放っておいたら、胃がんになっちゃう可能性だってあるんだよ。だからそうならないために、きちんと治療するでしょ。心の病気も、ちゃんとお医者さんに行って、早期治療をした方がいい。って言うか、結局そうした方が、早く治るんだよね」
そうなんですよね。
心の病気は、どうしたって「本人の性格が弱いから」とか「考え方がまちがっているのよ」と、思われがちなんです。
そして、なっちゃった本人も、そう思い込んじゃうんだな、これが。
「きっかけは、ストレスだからね。『考え方を変える』とか『気分転換』とかで防ぐことは、ある程度まではできるよ。でもさ、風邪ひく前の人が、風邪をひかないために予防するのは意味あるけど、風邪ひいた後で予防して何の意味があると思う? 結局風邪ひいてんのに。薬飲んで寝るのが先だろって、みんな言うでしょ。心の病気もそう。なる前の予防方法やっても、効果は低いよ。だから私、あんたが心の病気になってすぐに病院に行ったって聞いた時は、正しい判断をしたな、と思ったよ」
あ、褒めてくれるの、N。ありがとう、すごくうれしい♪♪
「でもさ、これ当たり前っちゃ、当たり前のことだよ」
おいおい、褒めてくれたんじゃなかったんかい。
「いや、本当。精神科の病院に入院してくる人の中にも、もうちょっと早くちゃんと治療していたらな、って思う人はいるもん。予防するのはもちろんだけど、なったらなったで、きちんと病院に行くことが、結局自分のためなのよ。死んじゃったら、元も子もないしね」
まあね。
場合によっては、「死にたい」という願望が、突発的に出てきたりするのよね。
私は薬と睡眠で抑えていたけど、あれは本当にきついっ。
「それを防ぐためにも、病院には行った方がいいのって言うか、行くべきっ。薬を使う必要がなければ、カウンセリングの先生を紹介してくれる病院もあるし、漢方だって使っているんだよ。周りの人達が何言っても、その人達が治してくれるんじゃないんだから、病院に行きましょう!! シャチホコに祈っている場合じゃありませんっ」
N……私よりも熱い語りになっとるぞ。
まあ、現場を見ていた人ですからねぇ。
「なーんば、こそこそ言いよっとね。んじゃ私は帰るけん、後はしっかりやっとよ!!」
あ、はいはい。
熱い語りをありがとう。
さすが一見可憐、中身は「男前」なあなた様。だから未だに……
「何て言った!?」
えーと。何も言ってません。
わたくし、何も言っておりませぬ。
貝のように、口を閉じておりまする。
「あんたも同じ立場ということを、忘れなさんなよっ。まったくそれこそ、シャチホコに祈らなんたいっっ」
……N。あんたも一言よけいじゃっ。
さてはて。
Nの熱い語りで、一通り何故病院に行った方が良いのか、その理由はご理解できましたでしょうか?
そうそう、補足なのですが。
どうして脳がきちんと機能しなくなると心の病気になるのかなど、くわしいことはこの体験記では説明しておりません。
めんどくさい……ええ、ではなくっ。
この体験記はあくまでも体験記なので、ちょっと目的に合わないから、ということです。
正確なメカニズム等は、本とかもたくさん出ていますから、そちらをご参考にしてください。
「あ、それとね。心の病気は、結局どんな人でもなる可能性があるってことも、付け加えておきます」
おおっN!! なんであんた戻ってきとっと!?
「うるさかね。大事なことを言い忘れとったんよっ。心の病気になりやすい性格とか環境とか、まあ分析したり調べたりする人もいますが、あんまり関係ないです。なる時は、なります。他の病気とはその点でも一緒です」
あ、それは大事なことだわ。
わたくしもまさか自分が心の病気になるとは、夢にも思わんかったもんな。
「じゃ、付け加えも終わったし、私は帰るねっ」
はあ、お疲れ様です。
しかし大事な事を言い忘れるとは、あいかわらず……
「何か言った!?」
いえ、何も。なーんも、言ってません!!
おちおち無駄口も叩けんばい。
さっさと次に行きましょう。
さて、いよいよ病院に行くわけですが。
病院に行くことにしたから、金のシャチホコに「病院、出してください!」と頼んで、「は~い、私、病院で~す」と病院の方が出てきてくれればよいのですが(どこから、という突っ込みは要りませんわ)、現実はそうもいきませぬ。
なので、病院を捜すことが必要です。
そしてどうせなら、良いお医者さんに治療してもらいたいと、誰でも思うこと。
そうですね。
良いお医者さんの……良い病院の捜し方。
それは、金のシャチホコに祈ることです。
そして、閃きを感じるのです!!
……。
あああ、本を閉じないでくださいましっっっ。
ちゃんと説明しますからっっ。
えーと、まず基本的なことから説明します。
心の病気になった時、受診するのは心療内科か、精神科です。
脳の機能が関係しているなら、脳神経外科じゃないの? と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、全然違います。
それは、イタリアンレストランの店で、
「うどんが食いたい。原料同じだから作ってよ!!」
と、駄々こねているようなもんです。
じゃあ、心療内科と精神科の違いは?と言われると、ちょっと難しいんですよね。
比較的症状が軽ければ心療内科、それ以上は精神科という区別もあるみたいなんですが、すいません、私素人なんで、くわしいことはわかりません。
……が、心療内科と精神科がセットになっていることも多いので、まずは二つとも診療項目に書いてある病院がお奨めなのかもしれません。
さらにその病院に内科もあれば、出ている症状に身体的なものがあった場合、それが精神的なものなのか、肉体的なものなのか、判断することもできます。
わたくしも心の病気の病院とは別に、内科の病院にもしばらく治療に行っておりました。
内科で「異常なし」と言われたので、わたしくの場合は、精神的な症状だと、判断できたわけです。
身体的な症状が出ている場合は、内科等にも行って、きちんと受診してくださいませ。
そして、いよいよ病院を決めるわけですが、まずは、「自宅か職場に近い病院」が良いみたいです。
通院するわけですから、あまり負担のない距離に病院はあった方が良いようですね。
まあ、「通いやすいところ」と言えばいいのかな。
で、次に「ちゃんと治療方法を話してくれる病院」がお奨めみたいです。
自分が今どんな状態で、だからそれに対してこんな治療をして、こんな薬を使います、と説明してくだされば、なるほど、安心できますものね。
……何か、えらい確信のない書き方だな、と思われた方。
鋭いっすね。
ええ。
これは、わたくしが心の病気になって病院で治療を開始した後、インターネットで調べていて、いろんな方のサイトを見てわかったことを、簡単にまとめたものです。
すいません、わたくしは。
この二つ、見事にすっとばしましたっっ。
わたくしが病院を捜した基準。それは、
① 先生が同姓であること。
② 先生の年が自分と近いこと。
③ 県庁所在地の市で開業していること。
でした。そして、病院を決めた決定的な理由。
それは、
④ カラーセラピーを取り入れていた。
です。
……ええと、何人の方が今、本をしっかりと手にお持ちなのでしょうか?
本を見ていて、コーヒーを吹いた方もいらっしゃるような気が……。
ええとですね、理由があるのです。
ちゃんとした理由はありますっっ。
まず③は、県庁所在地は、言わば県の中心です。
地方の街はどうしたって、心療内科とか精神科といった診目を扱った病院は少ないのです。
だから、中心部に行けばたくさんある、と判断したのです。
実際、本当にたくさんありました。
その中から、自分が住んでいる街からでも通いやすいエリアに絞って捜しました。
最初に行った病院がパスだったら、次の病院も捜しやすいだろう、と言う考えもありました。
んでもって、①と②は同じ理由です。
ようは、自分の考えや思いを理解しやすい人、ということです。
どうしても性別が違えば、おのずと考え方も感じ方も違ってきます。また世代が違っても、同じです。
これは電話占いで年配の方に相談した時に、感じたことです。
どうしても、その世代の価値観で判断されるので、せっかくのアドバイスが、アドバイスにならないこともありました。
それで何度「お金返してっ」と思ったことか……。
そして最後の決定的な理由になった④ですが。
これはもう、わたくしの好みです。
「医療行為」と言われるもの以外にも、実は「癒し」の方法はたくさんあります(この体験記でも後で出てきますよ~)。
それも、病院とは別に実行したかったので、それを話しやすいお医者さんが良かったのです。
そしたら、お医者さん自身が、カラーセラピーの資格もお持ちだったので、まさに「これだ!」という感じでした。
他にも、今はインターネットでのお医者さんの口コミなどを調べることもできますが、最後はですね、やっぱり相性です。
そう……どんなに評判のいいお医者さんでも、自分と合わない時は合わないんです。
逆にあまり評判の良くない病院でも、自分とぴったりだった、ということもあります。
ええ。
本当にこればっかりは、病院に行かないとわからないし、また先生の診察を受けてみないとわかりません。
そう……最後の最後で使うのは、カンなのです。閃きなのです。
どうでしょうか? 皆様。少しは、納得してくださいましたでしょうか。
えっ? 金のシャチホコに祈らなくても別に良いじゃないか、ですって?
それは皆様のお好みですわ。
別に、シーサーでも、鬼瓦でもよろしいのですのよっっ。
あ、ちなみに病院の情報の集め方は、今は便利ですよ~。
まずスマホのタウン情報で検索して、電話番号から調べることができます。
インターネットで、ホームページを開設している病院もありますから、それを見てみてもいいですよ。
わたくしがやったのは、このインターネットで捜す方法です。
なお、図書館でも最近はインターネットが使えますので、お家にパソコンがない人は、図書館で使うという手があります。
あ、ネットカフェもありますね。
それがやりにくいなら、保健所でも相談にのってくれるみたいです。
まあ、御自分が捜しやすい方法で捜して、御自分の考えで病院を選ぶのが一番です。
ここに上げた基準は、あくまでもわたくし自身の、そしてわたくしが集めた情報の中の一部でございます。あくまでも参考程度、ということにしておいてくださいませね。
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