第61話 ママ友との新たな交流の場

市民センターで行われる子ども広場は、月1回。やっと1歳4ヶ月で歩けるようになり、本格的に公園デビューしたものの、30度を越える日が続くうち公園からは足が遠のいていた。

「5・4・3・2・1ドーン」

と教育番組で見た掛け声をマスターし、廊下で一人かけっこをするのがブームの春馬。おしゃべり上手だし、歩けるようになったし一安心。家の中でも激しく動き回るが、おしゃべりな孫に愛着が湧いてきたのか父も何も言わなかった。


そんな時、黒縁メガネのママから連絡が。

お久しぶりです。最近、暑くて家の前の公園も日中はガラガラです。この間は、息子と2人で家にこもる生活に疲れちゃってタクシーで遠くの子育て広場へ行ってみました。後から思えば、タクシー代払うくらいなら市民センター借りる話実現したらよかったなぁ…って。近所のママにも声かけたら、みんな大賛成でした。


このメールからすぐに、黒縁メガネのママが中心になってスマホから予約を取ってくれた。当日集まったのは、親子合わせて15人。兄弟で参加した家もあり、10畳の和室もにぎやかだ。私が、はりきって家から持参したおもちゃも人気で安心した。おもちゃのケータイ、のりものの絵合せパズル、アンパンマンのブロックが常に誰かの手から手へと渡っていた。折り紙や風船などは、大きなお姉ちゃんに喜ばれた。


春馬は、自分より小さい子に合わせてハイハイをしてみたり、抱っこされている赤ちゃんに歌を歌ってあげたりしていた。自宅では、パパママにおじいちゃんおばあちゃん、何でも誰かがやってあげてしまう。お兄さん的な振る舞いをしている息子の姿に、感動してしまう私は親バカかもしれない。


ママたちの話は、もっぱら離乳食だ。アレルギーが、出た子も中に1人居た。アレルギー対応の給食が幼稚園で選べるくらい、アレルギーは息子たち世代では当たり前になっていることにも驚いた。


「1歳を過ぎても、大人とは別の食事をわざわざ準備しているんだよね…」

「1歳半になっても、母乳止められなくて。」

ママたちは、誰もが正解を探していた。どうすればいいのか、育児書でも意見が分かれる。”自分の子に合わせて”と言われても、心配なのだ。他の人の現状を聞いて、安心する。その繰り返しだった。


妊活の話も、子どもを産むと一気にあけっぴろげになることにも驚いた。会うのが2,3回目の相手、しかも大人数に対して「2人目考えてる?」

「次は、女の子が欲しいんだよね…」

みんなが、うんうんと頷いていると「排卵日2日前を狙うと女の子が生まれやすいらしいよ!」

「えっ!やりたい!でも、どうやって調整するの?」

と子どもたちがまだわからないのをいいことに随分、下世話な雰囲気に。


そんな話になるので、夫婦関係は良好かと思いきや、”ジャニーズで誰がタイプか?”という女子高生のようなノリにもなるから、おもしろい。

いろいろな情報が聞けるし、市民センターの一室は、1時間でも数百円。割り勘すれば、カフェに行くより安い。これは親子で楽しめるぞと意気込んだ矢先、思わぬ方向へと向かう。

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平成生まれママ!20歳からの子育て珍道中 すずか @harumama-suzuka

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