プロローグ

僕の名前は田村直樹。福島県、矢吹町に住み、郡山市にある私立虹色学園に通う

高校二年生だ。


 俺はどこにでもいるごく普通の高校生だ…と言いたい所だけど、

実際は気弱で極度のネガティブ思考を持ち、身長170cmで体重120キロの超デブで中学時代はみんなから、「ヘタレデブ」と呼ばれて、女子の「野良犬の方がマシ…」とガチな目で陰口を言っているのを聞いてしまったりと…とにかく災難な

人生を送ってきた。


更に勉強や運動も苦手で成績は常に下から数えた方が早い。


 高校に入学してからはそういういじりはあまり無くなったけれど、

どうせクラスのLINEでは僕の悪口を言っているに違いない。それに高校生になると多少自由になってワーワー騒ぐのに忙しくて僕みたいなゴミクズ人間には無関心なだけだよきっと…


でもひとつ言わせて欲しい事がある!野良犬の方がマシ!と思うなら野良犬と

付き合ってS〇Xしてみろよ!絶対、僕と付き合ってS〇Xする方がマシだと

思うから…!そんな事を昼下がりの教室で思っていた。

 机から立ち上がり、ふと窓から校庭を覗くとサッカー部が必死に練習をしている。


 その姿に僕は疑問を抱いてしまった…どうせ、部活何かに必死になったって

将来はプロサッカー選手になれる可能性はほぼ皆無…そんなのただの時間の無駄

じゃないのかな?でもきっと、それが青春というものでその価値を決めるのはきっと、第三者である僕たちではなく本人たち自身だから他人がどうこう決め付けるのも良くないね。


 そうこう思っているうちに、チャイムが鳴りやがて五時間目の数学の時間がやってくる。チャイムと同時に携帯をいじっているクラスメイトやゲームをしているクラスメイト達が一斉にカバンにしまい始める。

 うわぁ…数学かぁ苦手だなぁ…というか国語も社会も理科も家庭科も美術も苦手だなぁ…ついでに体育も、そして何よりも人とコミニュケーションを取るのも苦手だなぁ…そう考えると僕って学校生活で得意な事がない気がするよ!本当、僕って何をするために学校に来ているんだろう。


 その後は適当に授業時間をやり過ごして帰りのホームルームの時間になる。

担任の本宮栄先生が教卓に着き、書類をトントンと整える。

「田村、ホームルームが終わったらちょっと話があるから残ってくれ。」

 えっ僕!?僕何も問題行動とかしてないよ?確かに一年生の時は我慢出来ずにトイレで右手でピストン運動しちゃったりしたけどもう時効じゃないかな?

「田村、心配するな。説教ではない。単なる会話だ。」

「わ、分かりました…」


かなりキョドった言い方でそう返すと本宮先生は帰りの話を始める。今日は特に重要事項は無かった。話が終わるとクラスメイト達は昼休みの様にワーワー騒ぎ始め

それぞれがそれぞれの準備をし始める。部活にいる人もいれば、みんなで遊ぶ、彼女とデートをする、などなど…ちなみに僕の場合はいずれも少なくとも六年以上はしていないですよ…特に四番目は生まれてから一度もした事がないです。


 「田村、ちょっとこっちへ来い。」

本宮先生の呼びかけに応じ本宮先生のそばに行き、本宮先生の反応をただ伺う。

「田村、そう気を構えなくていい。とりあえず視聴覚室で話そう。」

 えっ!?ここじゃ話せない様な内容の話なの!?


ここで行きたくないと駄々をごねるワケにもいかないし気を構える必要がないと言うので、とりあえずついて行くことにしよう。僕の教室は二階にあって視聴覚室も同じく二階にある。視聴覚室へは約徒歩三分と言った所…校内の徒歩の分数まで把握しているのはデブが故にである。


 無言で廊下を歩いていると視聴覚室へとたどり着く。はなっからこの光景を見ればきっど指導されに行く様にしか見えない光景だ。


 「よしとりあえず入れ…」

今気づいたんだけど、本宮先生ってとりあえずって言葉使いすぎじゃないかな?

 先生が鍵を開けると僕は視聴覚室に入る。ここで話すつもりだったのか、あるいは、

誰かが話していたのか、机と椅子が用意してある。先生が座ると僕は連られる様に

椅子に座り先生を見据えた。そして先生が何か話すのをただただ待っている。


 本宮先生は掛けているメガネを外し、机の上に置く。本宮先生は普段はスマートで冷静な人だけど結構、熱い人だったりもする。所謂クール系熱血タイプ?

 「田村、俺がお前に言いたい事はただひとつだ…高校一年生を振り替えてってという作文、現国の担当が心配しててな。俺も読んでみたが…正直、反応に困るな。」


 懐から僕の作文を取り出し、僕の方へと置く。自分で書いておいてなんだけど、

すげぇ字が汚いわぁ…婚姻届書く時とかどうするの!?ってか、どうせ…僕になんて

結婚出来る訳ないし、彼女も出来る訳がないし、女友達が出来る訳がないし、そもそも友達が出来る訳がないし、そもそもそも、学校で話す相手すらいない。


僕は自分で書いたゴミ駄文を心の中で読み返す事にした。

 高校生活を振り返って、一年四組田村直樹。僕は一年生を振り返ってみて

思う事は特にありません。誤解しないて頂きたいのですがこれはふざけている訳でも面倒臭がっている訳でもありません。本当に何も無かったのです。


「我ながら酷い出来です…直した方がいいですよね?」

 少し申し訳なさそうにそう言うと本宮先生は想定外の返答をしてくる。

「本当に無かったんだから嘘を付く必要はないぞ?よし!お前にひとつ、一年間を通して課題を与える!今年一年間を使ってほぼ白紙に近い作文を埋める事が出来たら、現実的且つ俺の可能な範囲でお前の望みをひとつだけ叶えてやる。どうだ?この賭け乗ってみないか?」


 ん?今何でもするって…これが美人な先生相手なら超やる気になるけど…男の先生相手じゃそんなにやる気が出ないのが事実でもある。でも僕みたいなゴミクズな生徒に時間を割くぐらいならば、優等生の相馬くんに時間を割いてもっと伸ばしてあげた方がいいと思うんだけどなぁ…それにどうせ僕になんて青春ラブコメの神様が

微笑んでくれるはずがないのだから…

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青春ラブコメの神様は僕に微笑んでくれるのだろうか!? @naochan2525

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