第5話

ピエロの彼は私の部屋までついてきて

「あぁ。本当に引っ越してきたばっかだったんだ。なんか、ごめん…俺のせいで時間減っちゃった?」

と彼は申し訳なさそうに私の目を見た。私は首を横に振って

「ぜんぜん!!!私、掃除と料理は得意だし、好きだから。そんな謝んないで!ていうか私が勝手に掃除をしていいか聞いたんだし。」

そこで私は彼のプロフィールを知らないことに気がついた。

「今更で申し訳ないんだけどプロフィール教えて?」

うわぁ。さっきから私たちずーっと申し訳ないって言ってる…

「え?!俺の名前は…俺、自分の名前嫌いだから言わなくてもいい?」

自分の名前が嫌いとか…まあいいか

「いいよ」

私がそう言うと彼は安心したようで少し微笑んで

「俺の名前はピエロ。誕生日は5月16日。好きな食べ物はイチゴ。彼女はいたことがありません。こんなもんでいい?」

「うん…あとひとつ。そのピエロのお面のしたは?」

と聞くと

「ごめん…それはいま話せない。ごめん!」

私は後悔した。悪いことを聞いてしまったと…

「こっちこそごめん!なんか、話しづらいこと聞いちゃったね。」

と頭を下げると

「えぇ!!!謝んないで!誰だって聞いてくるし…ただ、いま話せないだけだから!!!ね?」

と頭を撫でられてしまった。私はなぜか嬉しかった。

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優しいピエロと私 白猫真宵 @Mayoisironeko0509

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