まず、文体で読ませる。無駄のない語り口で、すぐ小説に入りこめた。オチが途中で解るのだが、そんなことは関係ない。最後まで、表現が私の想像をこえていた。
人よりも3時間多く動ける男の話です。不幸続きの主人公に、休息が訪れ、そこには3時間多く動ける人がいる。導入は完璧で、会話文が多く引き込まれていきます。あっというまの3000文字ですが、非常にいい読後感が残ります。なんといってもオチがよかったですね!次の話にも期待して、星3つ送らせて頂きます。
例えば仕事や原稿の締め切りに追われた時、私たちは考える。一日があと一時間あればいいのに、と…。これは一日を三時間多く生きる、男の告白。私たちは時間に束縛されて生きています。しかし、その束縛から自由になれる事があったなら、それは常識や倫理からさえも解き放たれた事も意味するのでしょう。時間の空白の中に、人間の深い闇を見た気がしました。
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