BTのそらね
今は昔、
「いざ、遠征行きなむ。」
とて「18きっぷ+指定席券」で乗りけるを、BTのみ、改札を脱りて乗りけり。
さりとて、
このBT、定めて驚かさむずらぬと怯えて待ちゐたるに、
「もの申しさぶらはむ。切符拝見致す。 驚かせたまへ。」
と言ふを、
「や、な起こしたてまつりそ。このオタク
と隣人の言ふ声のしければ、あなわびしと思ひて、もう一度も起こすべからずと、思ひ寝に聞けば、
「えい。」
といらへたりければ、周囲のオタクどもほくそ笑むことかぎりなし。
(著者不詳「
用語説明
長良の川に行く夜行列車…武蔵国と
脱る…切符を購入せずに改札を突破する行為。これをすると普通はお縄にかかるが、中世ではばれないこともあったらしい。
駿河国けゐさつ…幕府の犬で地頭より偉い。御恩と奉公の関係ではなく国家に従事している。
日本バリ鉄(鉄道オタク)古典文学集 ひなもんじゃ @hinamonzya
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