昨今とみに女装というモチーフは有効で、キャラ付けのアクセントとして市民権を得ていると思います。
コスプレやジェンダーなどが一般化しつつある所以でしょうか。とはいえサブカルでは「単に趣味だから」とか「自己陶酔」とか「性同一性障害だから」という理由が大半だったりします。
そんな中、本作の理由は妙味でした。
主人公のさり気ない優しさ、気配り、家族想いの性格がぴったりハマるんです。
タイトルも秀逸。何だこれは、と目を引きます。無駄な長文でもないのに、必要最低限のセンテンスで端的にテーマを伝える。
短編読み切りだからこそ出来得る、最高のポテンシャルを発揮した名著です。