第2話
彼女を連れ去ったのは賊の下っ端だった。下っ端は彼女を自分達の家に入れさして、改めて顔を見るなり、驚いた顔で呟いた。
「これは、驚いた。さっきは月の明かりを頼りにして見たからここまでとは思わなかったが、上玉じゃねぇか」
仲間も彼女の美貌に驚き、そしていいことを思いついたようで、ニヤニヤと笑いながら提案した。
「俺達には持ったいねぇ。処女だったら売らねぇか? いい値段で売れるぜ」
下っ端もその案にのったらしく、彼女に質問をした。
「てめーは処女か?」彼女は下っ端の目をみてうなづいた。
下っ端はそれをみて嬉しそうに彼女の手を柱に繋いで、隣の部屋で仲間と話をしはじめた。
一方で彼女は酷く機嫌が良かった。
何故なら、遊郭に行けるからだ。
今も昔は遊郭というものに嫌悪を抱いているが、今の生活から脱することが出来ればそれでよかった。
遊女の牢獄は今の彼女にとって桃源郷のようなものだった。
女の人生 @sirosyatutouin
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