第2話 どうみても私は不審者
夢だから気づかないかな。それとも気づく余裕がないのかな。
でも、うん。わかるよ。余裕ないもんね。どうしていいかわからないよね~何しても泣きやまないとさ。
毎日とかわけわからんよね。疲れるし寝れないしね。どう見ても、新生児だもんね。なっかなか飲まないし時間かかるし、すぐ起きるし。わかる、わかるよ。かわいくてもしんどいよね~。
「こんにちは。元気でかわいい赤ちゃんだね。何ヶ月?」
あれ?声をかけたけど言葉って通じる?ま、夢だし大丈夫だよね。大丈夫だと思いたい。
きょとんとしたちょっとビックリした顔。あーなんかかわいい女の子だなぁ。アメジストみたいな瞳だけど充血してるね。クマも凄いし、顔色も悪い?
懐かしいな。上の子の時の私みたい。聞いてたみたいにはいかなくて泣きたくなったもん。この子はわかってたからまだ楽だったな。
「……どな、た?」
ヤバい、声までかわいい。
ってその前に私不審者? もしかしなくても私不審者だよっ!
「
まくしたてるように自己紹介はしてみたけど、どうみても私不審者。だってどこかの部屋みたいだもんね、ここ。
豪華なベビーベッドに、天蓋つきのフカフカベッド。猫足ソファーとテーブル。窓から見える景色は庭。
何カ所か扉は見えるけどどれが出入口かわからない。
とりあえず私の夢なのに不審者とか勘弁。
これも何かのご縁です 吾桑やのご @yanogo-asou
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