ただいま

味のしない料理は匂いもしない

聞こえていても理解できない言葉は返答のしようもない

見ていても意識がなければこぼれ落ちる


夢の中でも感じる感覚を

現実の中で感じずに

タダヨイ

サマヨイ

ふらふらする眩暈


ぐるぐるまわれば再び夢へ

ぐるっと一周まわればサヨウナラ


足が地に着いていても浮いているようで

霞む視界は霧に囲まれて

留まらない音が通り過ぎる



カエッテオイデ

カエッテオイデ


木霊がはしゃぐ



反対も正反対も

正面も真正面も

大きなくくりでは同じ言葉


青も緑も

赤も黄色も

大きなくくりでは同じ言葉


敵も味方も

大きなくくりでは同じになる



些細なことに囚われて

勝手にこだわって

くくって縛っていたのは


誰でもない



カエッテオイデ

カエッテオイデ


木霊がはしゃぐ


霧は晴れ

足は浮いた感触ではなく

あざやかな音が時の通過を知らせる



帰ってきたよ


ただいま

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歴詩 ~小さな物語~ 呂兎来 弥欷助(呂彪 弥欷助) @mikiske-n

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