怖い。
でも面白い。
夜子ちゃんが、とにかく怖いんです。でも美人。ちょっと病んでるのもポイント。
死体を発見し、観察するのが趣味という彼女は、行く先々で見付けた死体にまつわる、事件性や無念を見届けます。
物語は連作短編形式で進むので、隙間の時間に少しずつ読めるのも強みですね。
脇を固める山田探偵や、アイちゃん、翔太くんなども個性豊かです。
それでいて、夜子ちゃんの神秘性に支配される根源的恐怖が、読者をやきもきさせるのです。
特に、夜子ちゃんの中に潜む「ヤツ」が現れたときのおぞましさと来たら!!
眠れない夜はぜひご一読を。
一緒に死体を観察しましょう。
トワイライトな日常系、とでも言いましょうか。
基本的には日常系です。ええ、日常系ですとも。
ただしジャンルがホラーな、日常系です。
基本的なお話としては、死体をたまたま見つける事が何故か多い女子高生が、趣味である死体観察にいそしみつつ、ちょいと関わって来た誰かと共に過ごす、てな感じです。
現時点で読んでいるのは第五回までなのですが、ここまでで直接的なグロ描写ですとか暴力描写ですとか、そういうのが前面に出て来るという感じではありません。
むしろ、そういう物があるのを匂わせつつ、あくまでも趣味人な(その趣味の中身はさておき)女子高生の日常な一人語りの物語、という感じです。
ですが、異常がある筈なのに日常にくるまれて、日常の皮を捲れば異常が息づいている。
そんな境界があいまいなズレが、不気味な感じを読んでいる内に味あわせてくれて、そういう意味合いでホラー物として楽しいです。
派手でスプラッタなハリウッド調物語が好きな方ですと、ホラーとして楽しむには好みが違うかもしれませんが、言いようのない気持ち悪さを薄らと感じるようなホラーが好きな方ですと、好まれるかもしれません。
試しに一読されてみてはどうでしょう?
私は読んでて面白いです。
以上です。レビューでした。