好きな文章のいっぱいある作品でした。出会いと別れの季節である「春」を過去と現在から、そして「出会い」と「別れ」を双方から同時に、美しく描いています。これから毎年桜を見る度に思い出す作品になります。それくらい、僕の心には刻まれた作品でした。ぜひ一度読んでみてください。目に浮かぶような桜の花弁をお楽しみいただけるかと思います。
久しぶりに訪れた母校。何気ない思い出。恋心。タイトルのセンス。綺麗な文体。素敵な純文学を探してるならば、これをぜひ!
桜舞い散る中、そっと忍び込んだ母校。たくさんの思い出が鮮やかに甦ります。あの時は当たり前だった、今ではもう戻ることのない日常。友達とのたわいもない会話。どうしても視界に入ってきてしまう、気になる異性の後ろ姿。おそらく誰もが、懐かしきそれぞれの高校時代を思い出すのではないでしょうか。大人になっても、毎日が忙しく充実していても、ふっと立ち止まり、過去を振り返ってみたくなる。そんな、穏やかでちょっぴり切ない気持ちに浸ることができる短編です。