1話 完全犯罪の羅針盤作り Episode 1 “Making the Compass of Perfect Crime”

1話 完全犯罪の羅針盤を作る Episode 1 “Making the Compass of Perfect Crime”


時が過ぎ4月5日、今日は高校入学式だ。慣れない制服を着て満員電車で痴漢をしている人がいないか観察していると、あっという間に目的地である美国みくに高校に着いた。美国高校は県内トップの高校だ、といっても頭が良い奴は基本的に県外の学校に行くので日本全国で見ると上の下レベルだ。

始業式は体育館で行われるらしく、体育館に向かっていく人の流れがあった。俺はその流れに身を任せると、辺りを見渡しながら歩いて行った。校舎は10年前に建て替えられており、新しくて綺麗でもないが古臭くもない。体育館に行く途中、俺は以外な奴に会った。

「お、水木じゃん。」

始業式の日に俺の名前をこんな気軽に呼んでくる輩は1人しか知らない。

「何でお前がこの高校にいるんだ、武藤。お前そんな頭良くないだろ。この学校スポーツ推薦無いし。」

「それがあるんだな、今年から。お前がこの高校に入る事知ってたから秘密にしておいたんだよ。水木が驚いた顔は携帯でちゃんと撮っておいたからな。ヒヒヒ」

「バカ、携帯仕舞えよ。校則違反だぞ。初日から生活指導室のお世話になりたいのか?」

「分かんない。」

武藤は答えるのが面倒な時に決まってこれを言う。自分の「バカキャラ」を自覚しているのだろう、このセリフでいかなる極地をも生き抜いてきた。

体育館に入ると特進科の俺と普通科の武藤は分かれた。周りを見渡すと当たり前だが、高校生ばかりだった。つい、こないだまで高校生の事を怪獣の様に思っていた俺からするとすごく新鮮だ。

少し長い校長先生の話が終わると新一年生は教室へ案内された。俺のクラスは1-C、階段から遠すぎず、トイレからも遠くない良い場所だ。教室に着くと俺達は出席番号順に座った。そして、順に自己紹介を始めた。

「えーっと、、赤崎友也です。背が小さくてで名前の最初に「あ」が付くので、列で並ぶ時常に先頭です。皆からは「赤ちゃん」ってよば…….」

そんな感じで自己紹介が始まった。5番目に差し掛かった頃だろうか、長いコートを着ている奴が立ちあがった。

「驚京水です。隙間中学から来ました。今年一年よろしくお願いします。」

テンプレの様な自己紹介をした後、おどろきはさっと座った。相変わらず驚は手袋をしていて、口元をコートの襟で隠していた。コートの前を開けているので、今はナイフを隠していないのであろう。

マ行の宿命と呼ぶべきか否か、中々順番が回ってこない。俺はすごく緊張しながら自分の番を待っていた。そして、ついに俺の番が回ってきた。この挨拶は今後の学校生活にあまり影響を及ぼさないので、俺はテンプレで乗り切った。自己紹介が終わり俺が据わった時、背後で物凄いジャラジャラした音が鳴った。半分眠っていたクラスメイト全員の意識はそいつに向いた。

「俺は目邪伊幸彦、この平行世界の使者であり、魔の番人だ。この爪は番人の証である地獄の鉤爪ヘルクロー。今もこれからも群れるつもりは無い。」

そういって目邪伊は座っていった。目邪伊は髑髏やコウモリなどをあしらったグロイネイルアートをしており、髪を色々な寒色で染めていた。ズボンには色々な鍵がついており、一緒のズボンのはずなのに俺のズボンとは大違いだ。

自己紹介が終わり、俺は隣にいる奴に話しかけた。初日から女子に引かれる失態だけは犯したくなかったので、男子に話しかけた。

「俺は水木スイ。そっちは何て言うんだ。」

「ぼ、ぼくは葉、葉島宗佑。隣町の小金中学から来たんだ。君はどこから来たの?」

「俺は隙間中学校。」

これ以上会話が続かず、気まずい雰囲気になった。

しかし、それから俺は宗佑は何となく喋りながら最初の一週間を乗り切った。そして事件は起こるのだった。

To be Continued(プロットに時間を取られました。次回はちゃんとコッテリした戦闘シーン描きます。)

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僕には願いが無いけれど、君のためなら戦える気がするんだ。 Cut-G @Cut-G

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